DOUBLE PRETENDERS 7 譜面コメント

先日行われましたDOUBLE PRETENDERS 7の、自分以外の譜面に対して書きたいことなどを連ねる場所です。

始まりの星(ヒカリ) DX100

注:当記事は崩壊学園ストーリー「全域連結・心の骨格」「全域連結・世界再生」およびその関連ストーリーに関する致命的なネタバレを大量に含みます。

1. ~~をやるって言ってたけど?

やりました。

7800文字にも渡る質問状を投げつけました。

3000文字返ってきました*1

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これ譜面か? 譜面か……

 

譜面の話をします。

 

2. HLWさんの譜面の傾向について

HLWさんの「この手の」譜面の傾向として、「後ろの部分を見ることで手前の部分の意味の分かることが多い」というものがあります。

例えばMoon Haloの際は、間奏の引用部分でNight Glow = 姫子の赤、Rubia = フカの青が登場した後に改めてStarfallで黄色が登場することにより、初めから登場していた黄色がキアナの黄色、すなわち茶理理に対応している事に気付かせる構成となっていました*2

Rubiaの場合も、譜面開始時に矢印が赤色な理由は明示されておらず、しかしこれがサビの終わりに合わせて青色に変化することで使命に囚われたフカ = 精衛の姿であること分かります。千年之羽もRubiaと同様の色分けが使われていました。

 というわけで、HLWさんの譜面を解釈する時はパッと見のイメージに囚われず、全体を俯瞰した上で少しずつ掘り進めていくのが正解だと思っています。

これ譜面か? 譜面か……

ちなみにDPシリーズ以外の譜面だとどうなんだって思ったんですがDPシリーズにしかこういう譜面出してなかったです。このイベントのこと何だと思ってるんだ?*3

 

3. 始まりの星の譜面について

結論から言えば、この譜面は全域連結そのものです。

これ譜面か? 譜面か……

意味不明なのでこの結論に至るまでの経緯を以下に書き連ねます。

 

本人譜面の見分け方

これは通話の際に話しましたが、HLWさんの偽装を作る上で矢印の色分けを行い、かつ複数の色を同時に出現させる場合、間違いなくco-opとして踏めるような配置を作らざるを得ません。したがって、DX100のように3色の矢印を意図的に使い分けているにもかかわらず3人co-opとして踏むことができない譜面は偽装ではありえないと断定できます。

 この時点で本人をほぼほぼ確定できますのでこれ以上の考察は不要ではありますが、確信を得るためには「何故3人co-opで踏めないのか?」というはじめのヒントから考察を掘り進めていく事になります。

 

何故3人で踏めないのか?

Aメロの前半では水色と黄色が出現していて、後半からは赤色が追加されます。

 DOUBLE PRETENDERS 7の譜面を作るときに考えていた話の話の時に書きましたが、赤色が追加されるタイミングがムービー中で赤い手が出現するタイミングに合わせられていることを考えれば、フェミリスの負の感情、またはフェミリスを拒む人類の意思が赤色に当てられていることは容易に理解できます。

Aメロの譜面全体を俯瞰すると、少なくとも黄色と赤色については一部厳しい部分もあるとはいえ、co-opで踏める配置になっていることが分かります。つまり、この部分において黄色と赤色は分けられる意味があると解釈できますので、まずはこの2色について考えましょう。

 この法則が崩れるのは#26で、この小節のみは全てが黄色で構成される上、突如として一つの色が3つ同時を連打し始める構成となっています。この理由を解釈するために、歌詞を再掲します。

(イントロ)
夜明けの空に 願いをかけた
「未来へと繋いでいて」
(Aメロ)
零れそうな星をそっと 掴みたくて手を伸ばした
崩壊してゆく世界で 彷徨って 泣いている 気がしたから
(Bメロ)
初めて出会う痛みに触れて 自分の中の弱さを知った
「私がいる意味」を静かに繰り返した
(1サビ)
この感情が 胸の言葉が 大切なものをくれたのに
この感情を 手放したなら
揺らぐ世界を歩き出せるの? 眩いあの輝きを守り抜けるの?

(A'メロ)
迷ったとき君は そばにいてくれたね
(Bメロ)
たとえ世界がただ残酷で 孤独に穢れ堕ちたとしても 
見失いたくない 教えてくれた希望(ひかり)
(2サビ)
この感情が 叫ぶ心が 哀しみに包まれていても
この感情の 矛盾の中で 揺らぐ世界を前に進むの
星たちを辿るように

(Cメロ)
光が遠くへ消えるのなら
(3サビ)
私の声が 胸の言葉が 夜明けへと導き出すように
きっと最後の光になって 願いを繋ぎ 朝を迎える
すべての星を世界に輝かせよう
(アウトロ)
信じていて 未来への星(ひかり)

#26はAメロの終わりにあたりますが、これを全域連結のストーリーに当てはめるとちょうどフェミリスが負の感情に飲まれる寸前になります。ストーリーを読んでいればわかりますが、フェミリスの行く手を阻むものには、人類の意思の他にメリンの姿をした謎の存在もあります。

(突然攻撃してきた)

いやこれで笑うなっていうほうが無理ですけど。

 ともあれこの謎の存在は他とは比べ物にならない力を有している強大な敵(=赤色)の一味としてはじめ描かれ、実際フェミリスとプレイヤーもそのように認識して対処しますが、メリン(?)の登場前後から何故かプレイヤーによる介入が拒否されるようになります。

プレイヤー的にはただのバグ、あるいは偶然のようにも感じますが、この後の展開(10行後くらい*4)によりメリン(?)はフェミリスの負の感情が具現化したものであることが明かされ、プレイヤーの介入を拒否していたのはフェミリス自身、つまり、フェミリス自身の負の感情が真の敵であったということが分かるようになっています。

(今見返すとこのあたりは1サビの歌詞に活かされているんですね)結局このままフェミリスは負の感情に飲み込まれBメロの展開に繋がっていくわけですが、この情報を譜面にフィードバックすれば、これまでフェミリスを苦しめていた敵(=赤色)は実はフェミリス自身(=黄色)であったという事実を突きつけられるのが#26である、という解釈が一つ筋の通ったものとして作り上げられますね。

 

そうすると、残るは水色の解釈のみになります。これについてはBメロを見るのが分かりやすいです。

このシーン、負の感情 = 赤色に包まれているフェミリス = 黄色に対して接続を試みようとするけど拒否され続けるプレイヤーの図に見えませんか? 自分にはそう見えます。

 水色のホールドが入るタイミングでは必ず黄色との間に赤色の同時が挟まれている上、水色ホールドの長さはどんどん短くなり、#33では途切れ途切れにさえなっています。フェミリスが深みへと引きずり込まれて信号が届きにくくなっている様をフェミリス視点から見たらきっとこんな感じでしょう。つまり水色はプレイヤーという解釈です。

あの?????

 また、この部分は黄色と赤色の配置も特徴的です。#35まではきちんとco-opとして処理できるのに、それ以降はどんどんと黄色担当と赤色担当の身体が重なっていくような配置となっていて、負の感情がフェミリス自身に重なっていく様子が表されています。

 このシーンはゲーム中でも(珍しく)印象的な表現がなされていました。

ストーリー1回読むだけで30回くらいこの表示を見せられます。プレイヤーとしての辛抱強さを試されるシーンですが……

いちいち笑わせに来るのやめてもらっていいですか?

 

さて、全域連結における「プレイヤー」はソシャゲによくあるPとかTとかそういうものではなく、完全なメタ存在として扱われています。プレイヤーが水色という192分の色で表されているのは、そういった「枠に当てはまらない」存在であることを表しているのだと思いますが、

第四の壁としてよく挙げられる「ディスプレイ」を象徴する色がこのストーリー中では水色であることから、その色と合わせていると言えますね。そしてプレイヤーはメタ的存在だからこそステージには上がらない、つまりco-opとして参加することはないということです。また、この世界においてプレイヤーの存在を感じられるのはフェミリスだけです。そのため、もし黄色と赤色でco-opを行うとしたら水色は黄色が担当する、という配置になっているのにも納得がいきます。ずっとついてくるからこそ黄色と隣接する配置になっている、という説明も可能です。

 以上の考察から、この譜面の前半部分はたしかに3色が使われているが、そのうち1色はステージに上ることがない色であり、残りの2色はそもそも同じ存在に端を発しているので分担する理由がない、というのがco-opで踏めない譜面である理由と結論付けられます。

 

AメロからBメロで表されているもの

ここまで考察が進めば、AメロとBメロで表されている内容は全域連結・心の骨格のストーリーそのものであるということは容易に分かります。フェミリスとプレイヤーが赤い存在に襲われ、実はそれがフェミリス自身の負の感情で、プレイヤーとの接続が切れて完全に飲み込まれる……というストーリーが譜面に落とし込まれているだけですね*5

 ここまで来れば、あとはストーリーに沿って譜面を見ていくだけで全貌が見えますので、考察の結果を記していきます。

 

4. 解釈

矢印の色分け

黄色 → フェミリス

水色 → プレイヤー(めでたい)

赤色 → 負の感情全般

青色 → 正の感情全般

 HLWさんに答え合わせをしてもらいました。赤色に関しては「フェミリスを拒む人類の意思、およびフェミリスの負の感情」としていたんですが、本人には「もっと余裕のある世界だったら、人類の意思だってこんなに強くフェミリスを拒むことは無いはずだ、人類が負の感情に支配されているからこそ人類の意思がこのような形で現れている、だから人類の意思がフェミリスを拒むのも一瞬の負の感情なんだ」と言われました。それに合わせて青色の解釈も「フェミリスを拒まない人類の意思」から今の形に変わっています。本人曰く「他人に対してポジティブ/ネガティブに作用する行動の源となるのが正/負の感情」らしいです。

 

イントロ

フェミリスが意識空間に生まれ落とされるイメージでしょうか。ともあれフェミリス自体がまだ世界にいないので、譜面にも黄色は出現しません。

代わりに出現するのが赤と青、すなわち負と正の感情です。フェミリスが登場していないのでこれは人類の感情を表していると言えますが、そうするとこの部分に「普通の譜面」が置かれている意味が出てきます。つまり、(1)フェミリスの「全域連結の物語」が始まっていない「普通の」世界で、(2)人々が「普通に」暮らしていたが、(3)崩壊により甚大な被害を受ける中で負の感情 (=赤矢印) が支配的である 様が現れています。普通の譜面にそこまで深読みするか?

 (3) については自分の質問文に入っていなかったんですが、「人々が普通に暮らしてるだけだったらフェミリスも『彷徨って 泣いている』気はしないし手を伸ばそうとも思わないだろ?」とか言われて納得せざるを得ませんでした。何だその圧力は。

 

Aメロ

フェミリスが意識世界に産まれ落ちるので譜面にも黄色が現れます。

ここの配置がいかにも何も分からないですがとりあえず辺りを探索してみましょう~みたいな感じになっていて、その後の同時が(顔を見合わせた)何も見つかりませんね~みたいな雰囲気になっているのと対応してるの割と好きです。後者はともかく前者は意図して辺りを探す感じの配置にしていそうです。

上の方で「フェミリスの負の感情、またはフェミリスを拒む人類の意思が赤色に当てられている」って書きました。話をわかりやすくするために省いていたんですが、実は本人譜面側は偽装譜面側よりも1小節ちょっと早く赤色が入ります。このシーンをよく見ると2P↑の右下あたりに涙が見えますね。ちょっと見にくいですが、この後この涙が指輪に落ちて地面に赤い輪が広がりそこから手が現れる……という展開に続きます。つまり、このMVにおける赤い手はフェミリスの負の感情に起因または呼応しているということで、この赤色の持ち主としてフェミリスを意識した配置であると言えます。

 ただし、こんなシーンは全域連結本編中には存在せず、またあったとしても上の画像の発言を踏まえればこの負の感情の元々の出どころは人類の負の感情になりますので、どちらの解釈でも問題はないと言えます。よく見ると涙が落ちる前から地面に赤い輪が広がっているなど謎の多い*6なシーンでもあるので、そこまで重きは置くべきシーンでもないと思っています。

 

Bメロ

この辺りは上に書いたとおりです。1枚目の辺りで赤のホールドが徐々に長くなっていくのとか、2枚目の辺りで水色のホールドが徐々に短くなっていくのとか、今回はホールドを意識したような配置が多かったのが印象的です。

 ちなみにMV中では赤い手ではなくて紫色の立方体がフェミリスを包み込むような動きになりますが、本編中では

こんな感じです。AMVという形で3D映像をチマチマ弄ってたりする身からすると、とりあえず全てを立方体で代用するっていうのはとてもよくわかりますのでよくわかりますが、それにしてももう少しなんとかなったんじゃないかとも思ってます。もしかしたらふわふわしたイメージだけ伝えられた結果こうなったのかもしれませんが。

 

 ところで上の画像の発言は結構大事な発言でもありまして、

ここの矢印の解釈に関わります。というのも、ちょうど低速に入るシーンで黄色が完全になくなって譜面が赤一色になるわけですが、これはこういう話↓だからです。

フェミリスの負の感情が赤色なら、黄色はある意味において希望(ヒカリ)を表わす色でもあります。そんな状態から復活するきっかけになったのがめでたいプレイヤーな訳ですね。

 

このあたりは全域連結を象徴するシーンでもありますので、ぜひ崩壊学園をインストールして自身の目で確かめてみて下さい。このあたりまで来るともうめでたいが人名にしか見えなくなってますので。

 このシーンを考えれば、問題の水色矢印には (1) フェミリスがプレイヤーのことを思い出して希望を取り戻した、(2) フェミリスとプレイヤーの接続が再確立された、または (3)プレイヤーがフェミリスの手を掴んだ といった意味が込められていると考えられます。じゃあどれなんだという話ですが、本人曰く「(1)を意図していたが、別に解釈は一つに限定する必要はない」とのことでした。

 

さて、その解釈が何であれ、この水色のホールドで提示編である「全域連結・心の骨格」分のストーリーが終了します。サビからは解決編である「全域連結・世界再生」のストーリーが始まるわけですね。

 実はこの「全域連結・心の骨格」ですが、中身としてはほとんど何もわからず何も進展しないまま勝手に問題点だけ突きつけられたと思ったら最後に謎に盛り上げて突然終了するストーリーとなっていて、最後の部分以外は全体的に極めて閉塞感の漂った物語です*7。それに対して「全域連結・世界再生」は解決に向けてひた走る前向きな物語となっていて、この対比がサビ前の加速ソフランという形で表現されています。

 

サビ

ここのカメラワークなんとかならなかったのかって結構マジで思ってます。それにしても背景が白いですね。先生、あれは何? わしらには救えぬものじゃ。

 ともあれプレイヤーの手によってフェミリスが救い出されたので、譜面の色がまた元に戻ります。

これまでと違うのは青色が初登場しているところですね。フェミリスが助け出される前後で何が変わったのか? それはフェミリスが頑張っている様子が全人類にLIVE配信されたかどうかです。

これを受けて、希望を持って行動しよう、フェミリスを助けよう、という人類が少しずつ現れてきている様がこの青色によって表されている訳です。なぜ青色なのかって?

うーん、これは青。

嘘です。ゲーム的なメタ視点を持った存在から見て、敵が赤色で表されているのならば、味方は緑か青の2択になります。緑色の矢印は存在しないので、青色が選ばれるのは当然とも言えます。

 もう一つ興味深い点として、サビの前半ではプレイヤーは常に負の感情との間にあって、フェミリスを守るまたはフェミリスの代わりに戦う様子が表されています。一方で、#56で一瞬の減速を挟んだ後にはフェミリスが前に出ています。

このような立場の転換があった場面を考えると、それはまさにフェミリスがすべての記憶を取り戻す場面に他なりません。(あっさりしすぎな気もしますが)凄まじい急展開となる物語終盤においてフェミリスの夢の中で記憶を探す旅が、一瞬の減速としてフィードバックされている感じです。

一応本編中の会話も貼っておきます。左側が記憶を取り戻す前、右側が取り戻した後です。これだけでも少なくとも守られる存在だったフェミリスが対等な立場になったとわかりますが、実際この後フェミリスはフェミリスビームやらフェミリス目つぶしやらフェミリス足指つぶしやらを放ち八面六臂の大活躍を始めるなど、明らかな転換が見られます。

 また、減速後は意図的に青色が多く配置されていますね。これはフェミリスが記憶=心を取り戻したことで負の感情を克服したためです。

記憶を取り戻すことと負の感情を克服することに何の関係が……という話もありますが、このあたりのモノローグを見ればそういうものだと納得できるかと思います。また、記憶を取り戻す段階において今後進むべき道がはっきりした、というのも負の感情を克服する上で大事な役割を果たしています。実際には記憶の中身ももちろん大事なんですが、それを書き始めると終わらないというか少なくともこの譜面には記憶の様子について表現されている気配はないので省略します。各自で崩壊学園をインストールして確認してみてください。

 

上の画像にもあった「これからの戦い」が示されています。なんと全人類の意識が襲いかかってきてるそうです。地雷についてはRubiaにあったワープギミックを示すために置いてるらしいですが、それは別として地雷も赤を含んでいるから負の感情とみなせるとして赤いオブジェクトを多めに置いたとのことでした。

「この地雷は一万年爆弾では?」って聞いたらスルーされました。

 

 さて、極めてインパクトの強い配置の赤色4つ押しが降ってきていますが、こんなインパクトを残せる敵役は一人しかいません。

メリンです。

(突然の攻撃)

だからやめろ。

 フェミリスチョークなどの技を繰り出して一度はメリンをダウンさせることに成功しますが、すぐに復活してしまい倒すことができません。それを助けるのがプレイヤーになります。

つまり、プレイヤーが介入できない会話パートではなく、プレイヤーの操作により結果をいくらでも思う方向に導くことができるゲームパートでメリンを倒してしまおうという提案です。この提案によりメリンが無敵の力を失い、「プレイヤーの領域」に引きずり込まれた瞬間というのが、ワープギミックにより赤色が水色に変化することで表現されています。

その直後に降ってくるコリンは、プレイヤーとメリンの戦闘を表しているものでしょう。ちなみにメリンはHPが1/5減るたびに即死の魔法陣をフィールドに1個ずつ設置します。つまり魔法陣の設置は4回、合計4個の魔法陣が設置される訳ですが、この部分の階段が音を全く無視した4連階段×4になっているのはそれに合わせた表現かもしれません。

そしてプレイヤーの協力もありメリンは打ち倒されます。

( д)

 

д )

*8

話を戻します。

 実際にはメリン(?)は負の感情の具象化したものなので、物理的にとっちめてもしょうがないのですが、フェミリスはきちんと自分の心の弱さに決着を付けてメリン(?)を完全に打ち倒します。

そして傍観者と化するプレイヤー。この様子は譜面が黄色一色になる辺りに現れていますね。プレイヤーだけが活躍するわけではない、フェミリスだけが活躍するわけではない、というバランスの良さが譜面でも再現されています。何が?

 

このシーンは希望のヒカリが暗雲を打ち破る様をそのまま表した図ではありますが、同時に全域融合を達成するための全域コネクタが、世界を再生するための希望として空高く輝いている様でもあります。

全域コネクタはもちろん現実世界に存在しているもので意識空間にはありませんが、まあそれは別としてタワーの頂上という意識空間の中で最も高い、最も全域コネクタに近い場所から全人類に向けてフェミリスの演説が始まります。

このシーンは偽装譜面と同じく背景の夜明けに合わせて希望 (=黄色) を取り戻す様でありながら、「夜」の青色と「朝」の赤色が対応していて、なおかつフェミリスの演説を聞いてフェミリスを受け入れる人類としてはまず「正の感情」を持った友好的な人類、次に「負の感情」を持った敵対的な人類だろう、というトリプルミーニングとなっています。正気か?

 

全ての星 (=人類) が希望を持って輝き始めるシーンでプレイヤーが再登場します。フェミリスの演説でおおよそ解決したはずなのに何故、と思われるかもしれませんが、実はこのプロセスはプレイヤーでなければならない理由が存在しています。

そう、10,000スタミナです。

実際には、スタミナを消費することで「遊離の希望光」を集めるというプロセスによってこのイベントは進行していきますし、遊離の希望光を集めることで全域融合が進められる、というのはストーリー中にも明示されています。このあたりの発言は歌詞とかなり対応が取れていますね。

ではこの遊離の希望光とは何なのか、フェミリスにも集められるものなのか、それともプレイヤーでなければ集められないものなのか。その答えもストーリー中にあります。

プレイヤーじゃないと無理です。

 

アウトロ

偽装譜面の際にも書きましたが、人類の営みの光が希望の星と重ねられることで、人類が希望を取り戻す、全域融合が確実に進行している様が現れています。

全域融合が進行しているので矢印はフェミリスの色に融合されていきますし、また人類が希望の星 (=黄色)を取り戻している様子も同時に現れています。

 このあたりの譜面について、「右から左に流れるような配置が多い。これはもしかして全域コネクタによって発生してるオーロラを表しているのか?」って聞いてみました。全否定されて終わりました。「形を見るなら流れ星と見るだろうけど、この星は流れちゃいけない。オーロラを表現するならもっと様々な色を使っただろうけど、今度は全域融合のコンセプトと合わない」だそうです。

 

最後の最後にFeMirinsであるFMが降ってきます。そういえば千年之羽の時にもFu HuaであるところのFとHが降ってきてました。HLWさんは文字譜面をよく置きます。ちなみに、フェミリスの略称は公式で「フェミ」なのでFとMが選択されたのはその辺りの理由が大きそうです。

また、「この配置は鍵のように見える。記憶の指輪の封印を解く鍵を表してるんじゃないか」という説も送ってみましたが、「ストーリー中では鍵は物理的な存在ではなかったしそういうつもりはない。ただ、記憶の指輪は重要アイテムだしそういう解釈も面白い」って言われました。

 

最後の一歩は完全に無音になった瞬間にプレイヤーの色で置いてあります。この矢印に関する解釈は「決まった答えはない」という回答でした。

 

普通に考えれば、物語の最後にフェミリスとプレイヤーの接続が再確立される瞬間を表しているかもしれません。

あるいは、直前まで連続していた二枚抜きと比べて1歩しか置いていないというのはあまりにも「どうでもいい」。つまり、どれを選んでも物語に影響のない、プレイヤー最後の回答を表しているかもしれません。

(Bメロ)
たとえ世界がただ残酷で 孤独に穢れ堕ちたとしても 
見失いたくない 教えてくれた希望(ひかり)

もしかしたらBメロの歌詞にあるように「プレイヤーに教えられた希望」を見失わずに未来へと進んでいこうと決意したフェミリスの心を表しているかもしれないですし、

赤や黄色の印象の強かったフェミリスが、記憶を取り戻した後は青の印象の強い姿に変化したことを表しているかもしれません。

 他にも、プレイヤーが崩壊学園のアプリを落とすことで背景が真っ暗になっているのを表している、希望を持った人類 (=青色)とフェミリス (=黄色)が接続されることで水色になっている、など様々な解釈が考えられますが、とにかくその解釈はプレイヤーに関わっていれば何でもよくて、読者に一任するというスタイルとのことでした。

個人的に意見としては、一つの結論しか生まないようなストーリーは面白くないんだ。この譜面を見た皆がそれぞれの解釈を持って、自分の考えやアイデアを遥かに超えていく様を見るほうがよっぽど面白いから。

 

ちなみに、今回に限ってストーリーそのものを譜面に落とし込もうとした理由についても教えてもらいました。

「全域連結」の物語を主軸に譜面を作ろうと思った理由はとても簡単で、「始まりの星」のPVはとても断片的になっていて、フェミリスの物語を表わすには十分かもしれないけど「全域連結」の物語としてはとてもじゃないが不十分だったからだ。でも、「始まりの星」の歌詞はどう見ても「全域連結」の物語に対応している。だから、そのギャップを埋めるためには譜面で「全域連結」の物語を語るしか無かったんだ。

 

Q33B DX14

1. 本人譜面の見分け方

DH14があまりにもアクドなのでこっちがアクドです。

 

2. slaim譜面の特徴

アクドだけだと何なのでslaim譜面の特徴の話をします。とは言ってもkaiさんのブログで概ね解説がなされてしまっているんですよね。

・音程に合わせた配置(特に、同じ音程を同じレーンに置く傾向が非常に強い)

(DOUBLE PRETENDERS 3: elegante DH13)

・隣接階段(65432とか234567とか)

(DOUBLE PRETENDERS 4: Can't it be true DH13)

 

・フレーズのキメで12345678or逆の大階段

(DOUBLE PRETENDERS 5: 霖風 DX14)

 

・15,26,37の4つ飛ばしの同時踏み(他の人の譜面ではあまり出てこない)

(DOUBLE PRETENDERS 6: 現実をカットアップしてみた DH12)

 

・同じ位置での同時踏み

(DOUBLE PRETENDERS 7: Q33B DX14)

 

本人が気分に左右されにくい型にはまったような譜面を作るタイプなので、基本このあたりを意識していくことになるんですが、せっかくなので今回は本人の踏み方を踏まえて上に挙がっていない要素をいくつかピックしておきます。

 

楽節終わりで中央2パネ

曲の展開次第ですがこの後に特徴的な音が入る場合は26または37の同時押しを挟んでから普通の譜面に戻ることがほとんどです。

DOUBLE PRETENDERS 3: elegante DH13 #15~16、#48~49

DOUBLE PRETENDERS 4: Can't it be true DH13 #30

DOUBLE PRETENDERS 5: 霖風 DX14 #32、#64

DOUBLE PRETENDERS 6: 現実をカットアップしてみた DH12 #16、#32、#48、#63~64

DOUBLE PRETENDERS 7: Q33B DX14 #53、#56~57

過去譜面を見ても見事に16の倍数の小節で中央に寄ってますね。逆に言えばこれは楽節の終わりで意識的に体を中央に持っていっているということでもあります。踏む時に重心がパネルの中央に乗りやすいタイプの踏み方をする人、もっと言えば重心を落として腰の捻りを中心にサイドを踏みにいく踏み方をする人と言えますね。

 実はこういう性質を持った譜面を作る人は結構少なく、DPシリーズの参加者だとGOLDKINE、teneno(地団駄に限ってkai)辺りがその傾向にある程度です。特に捻りがきつい譜面をよく書く人(AKUDO、KITUNE、paraph)は楽節の最後だから何やってもオッケー!みたいなノリで端から端までふっとばす事がよくあるのでこういう配置にはならないです。

 これとは別に中央2パネというか横矢印4パネを中心にした譜面を組むことも多いんですが、それは踏み方とは関係ない話なのでそういう傾向もあるという話だけにしておきます。

 

押し配置がかなり多い

重心を落として踏むということは膝が曲がる傾向にあります。なので引き配置よりも押し配置のほうが得意になります。その結果、パネルの外側に向けて捻るような配置が(他の人に比べて)かなり多いです。

こういう配置は身体の動きが大きくなりがちなので苦手意識持ってる人が多いですね。ちなみにKITUNEも押し配置を多用する傾向にありますが、こういう外向きの捻りの数はslaimに比べるとかなり少なく、外から中央に向けて捻った押し配置が多いです。

また、押し配置がメインということでこういう左足を7に持っていって右向きに移動する配置がめちゃくちゃ多いです。その影響もあり、2P側への移動が↑メインというかなり珍しい譜面傾向の持ち主でもあります。GOLDKINEとは正反対ですね。

 似たような理由で階段は1→8の配置であることがほとんどですし、7→1の階段を置く場合はほとんど右足が7に行くようにして押し配置にするようになっています。

 

3. 総評

今回はかなり特殊な曲だったのともう一人がアクドだったので譜面の形だけ漫然と見ていてもピンと来ないかもしれませんがこういう譜面要素で見ていくとslaimが感じ取れる譜面になっていました。特に2Pへの移動が↑中心というのは本当に珍しい傾向なのでここを掴んでおくと譜面の解像度が上がってくるんじゃないかと思います。

*1:すなわち、この記事はHLWさん監修の元作成されています

*2:というか主催はこの譜面を見て初めて茶理理とTetraCalyxのパート分けを知りました

*3:千年之羽やにゃんこ☆ファイトのような「軽い」高難易度曲のネタが切れてしまった状態からサービス心を発揮しようとした結果変な方向に走ってしまっているだけかもしれません

*4:早すぎません?

*5:ストーリーがわからない? スプレッドシートのメモを読んで下さい

*6:悪く言えば雑

*7:話自体が短いのでストーリーだけまとめて読むとそんな感じでもないんですが

*8:どうでもいいですが、個人的にはこのシーンはかなり好きです。フェミリスというキャラがどういうキャラなのかがものすごく端的に現れていて、設定ばかり積み上げて何の理由もなく結論をぶつけてくるストーリーなんかよりは遥かに好感が持てます