DOUBLE PRETENDERS3 偽装譜面当て雑感

先日行われましたDOUBLE PRETENDERS3について、本人譜面と偽装譜面の見分け方、および本人より頂いたコメントを紹介する場です。

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バナー: 銀の微糖さん

 さて初代DOUBLE PRETENDERSの解説記事の際にも書きましたが、本人譜面を見分けるには

・本人の手癖配置から本人を断定する

・偽装譜面の「本人らしくない配置」から偽装を断定する

・偽装譜面の手癖配置から偽装者を断定する

の3通りが主な手法として挙げられます。初代のときは初の試みということで偽装のレベルはさほど高くなく、主に偽装側を断定することで判断していましたが、回数を重ねたこともありこれだけでの判断では難しい部分も増えてきました。

 しかしながら、全体として形は似通っていても、要素に分けることで本人らしさを浮き彫りにすることは今でも不可能ではありません。今回は細かいパーツを見比べていって、より「本人らしい」譜面を探すことを中心に判断していきたいと思います。

 本人譜面の要素については初代の記事を参考にしてください。

 

 今回は異常に長くなってしまったので目次を付けました。 また基本全員敬称略です。

 

 

[AKUDO] Spring Carnival

出ゴミ

 AKUDOといえば非交互、非交互といえばAKUDOみたいなところはありますが、流石に近頃は露骨な非交互譜面は減ってきています。特にBattle on Kemomimi Loli以降はかなりのチェックをしているらしく、DP系列に出す譜面は理論上ほとんどが交互に踏めます。

 交互に踏めるかどうかを確認すると、DH10は2箇所で明らかに交互に踏めない場所があり、一方でDX13はおおよそ全交互、DEdit15も8分以上での非交互は存在しません。

 ここはどれだけAKUDOを信じられるかという一点に尽きるのですが、今回はDH10は偽装ということで信じて正解でした。408コンボあたりの4分で謎にボックスを要求するところなんかも本人らしくない配置だと思います。

 一方でDEdit15は後半がずっと滝ですが、AKUDOのストリーム譜面の特徴の一つとして汚いながらも左右に周期的に移動するというのがあります。一方で今回のSpring Carnivalはこの特徴を一切満たさず、中央から引き返したりすることさえあることから明らかに偽装です。

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左から「高嶺の花子さん DH12 (本人)」「かわE DH15 (本人)」「Spring Carnival DEdit15 (偽装)」

 というわけで、残ったDH13が本人譜面となります。DH13はイマイチ意味のわからないリズム取り、中央周りでの足回しを頻繁に要求する配置、見た目を重視した16分配置と、本人譜面の要素が満載です。ちなみに4歩セットの地団駄 (英語圏で言うbox) が多いのも特徴です。Welcome to the Clubに至っては12分で連続boxを置くとかいうカスをやらかしてます。

 偽装者はparaphとteneno (追加) で、どちらもAKUDO譜面を普段からボロカス言っている連中だったのでここはそれなりに難易度が高かったんじゃないでしょうか。ただ、両者とも本人の独特過ぎるリズムを嫌って後半を平坦にしたあたりは本人にAKUDO力で負けていたと感じています。

 

・paraphからのコメント (偽装)

 最初に一回だけ通しで曲を聞いて展開だけメモして、あとは音量ゼロにして作りました。制作時間15分くらい。

 初期版は今よりも難聴成分が強くて滝の始まりがこんなことになってたんですが、展開的にここは間違いなく4分ジャンプ4回を置いてくるだろうと思い直したので泣く泣くお蔵入りに。代わりに滝の途中に12分を追加しました。

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こんなこと

  前回までは全力で偽装をしにいってたんですが、今回は「それっぽいけどよく見ると本人じゃない」を目標にストリーム中の移動や滝のつなぎ方などをわざと本人とは違う形にしています。それでも騙された人がいっぱいいたので結構びっくりしました。特に滝の間にドラムの音を拾った休憩を入れるのはORUTAN譜面の影響で、ここはかなりparaphらしい要素だったんじゃないかと思います。

 

・tenenoからのコメント (追加偽装)

30分でできた。カス。
塊が体の向きを横に向けた状態で終わって「え?これ次の塊にこのまま入っていいの?」って
不安に思わせる感じを頑張って表現しました。
後半の非交互は偶然の産物だったけどそれっぽかったので採用。
ちょいちょい意味不明な偶数8分リズムを入れたのは本人の難聴っぷりを表現したかったんです。
流石に今になって12分置くほどの難聴ぶりは発揮しないと信じました。

 

 

[BMT] ディスカバリー

 癒やし。

前々回の記事には書かなかったんですが、BMT譜面の特徴に

・歌詞を強く意識した配置

・ホールド抜けのYEAH!を利用した配置

が挙げられます。この点を頭に入れた上でDX6の譜面を見ると、

15小節目 ひとりになっていた縦連打

39小節目 ホールドに左足を縛られる配置

42小節目 向き合うことを恐れる半回転

45小節目 君の姿を見失う半回転

46小節目 愛の深さを掘る縦連打

65小節目~ yeahに合わせたYEAH!

など様々な要素が詰め込まれているのがわかります。この時点でかなり本人濃厚です。

 一方でDH7の方はサビの配置がかなり特徴的で、かなり隙間を開けた遅い振り回しが延々と降ってきます。これ、本人が踏んだら遅すぎてめちゃくちゃ辛い(身体が浮かない)んじゃないかと思います。実際どうだかわかりませんが、本人が「遅い!重い!」って言いながらすげー身体斜めにして踏んでる光景が想像できました。せめて51小節目のように1歩重ねる形だったら本人も楽しげに踏むと思うんですが。

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 また、42小節目のように、1拍開けてから流れに逆らった向きに動かす配置が散見されます。これは普段からバーを持って踏んでいる人全体に言える特徴で、特に同時周りでの流れを重視する本人にはほぼありえない配置になっています。

 というわけでDX6が本人でした。偽装者の判断は難しいですが、バーを持って踏んでいる人で、外から内向きに捻る配置をよく置き、同時が踏みにくいと評判の人……といえばKITUNEです。いやこんなんわからんけど。KITUNE譜面については下で書きます。

 

・KITUNEからのコメント (偽装)

トシさんの細かい癖までは把握できてないけど、ちょいちょい作った譜面を遊ばさせてもらってるのでエッセンスを忍ばせたつもり。自分は元々低難易度も結構作ってる※のと畑としてはDDR寄りなのでまあまあ親和性高かったんじゃないかなと思います。

(本人譜面は)譜面見た時「確かにトシさんこういう置き方するなぁ」ってなりました。今度自分の譜面にも取り入れてみようかと思います。

※過去SRFという120曲分のパッケに携わってましたがDPの譜面は全譜面の7,8割方僕の譜面です(しかも大半はDDP以下)

 

[KITUNE] Takeover (ft the Qemists)

というわけで順番を入れ替えてカイツネ枠です。

KITUNE譜面の特徴については前回挙げた他にもいくつか教えてもらい、

ソフランは容赦しない、曲を知らないほうが悪い

・外向きから内向きにひねり込む配置

・内向きへのひねり込みから中央で折り返して外向きにひねり返す配置

が好みとのことでした。またやはり全体に振り回しがかなり多い傾向にあります。

 そう考えてみればDH11は外から内への捻りこそ多いものの振り回しが弱くてソフランが優しく、何より38小節目で突如スイッチを要求されるあたりが本人らしくないポイント。また14、66小節目のように捻りも振り回しも絡まない51の遠配置はKITUNEはあまり置かない使い方です (この手の遠配置というパーツ自体はよく使う)。

 一方でDX13はやりすぎなくらいにKITUNE配置の特徴を満たしており、こちらが本人と判断できます。正直最後の滝は本当にやりすぎだと思いますし、それに合わせて29小節目から音が無いにもかかわらず16分滝を降らせるたりもマジでやりすぎだと思うんですが、こちらが本人です。また、上のディスカバリーの偽装側で書いた要素も、いずれもKITUNEの特徴をよく満たしています。半ばこじつけみたいな感じですが、これだけ知っておけば少なくともこの偽装がKITUNEとか嘘だろ、という感想にはならないんじゃないかと思います。

 偽装者の判断は比較的容易で、HLWになります。HLW譜面の特徴は次にまとめます。なんかこの曲だけ短いですね。なぜなら偽装者が新規参加者なので……考察がそっちに移動してしまうんですね。

 

・KITUNEからのコメント (本人)

譜面を作るにあたって根本的に自分のベースは「曲を聞かせたい」か「曲の勢いに乗りたい」かで考えるので今回は後者のノリでした。曲のエモさが高いと前者ベースが強くなるので難易度は控えめになります。
あと長いソフランは曲のパーカッシヴやベースの刻みで変化付けるので最初のスネアのフィルインが低速に含まれてるのは解釈違いです
「曲を知ってる前提」「曲の構成に沿う」変化が好きなので「不親切ではあるけど騙すつもりはない」
逆に明確な悪意がある場合はなんらかのコンセプトがあります。

因みにソフランで矢印の色がズレた場合自分は全く気にならないので偽装側のように帳尻合わせのソフランも使う事は無いです(ただし、前述したように「矢印の色にコンセプトがある」場合や複雑な変則変拍子の楽曲等であまりにも見た目が汚くなる場合はその限りではない場合もある)
本人譜面も偽装譜面も複数譜面作ってるから折角なんで見てください。
今回みたいに高難易度ベースの譜面且つ、パッケージのように他の人にも遊んでもらう可能性がある場合は下の難易度も結構用意したりしてます。
基本は上位譜面をナーフしたものになりますが取る音やリズム自体結構変えたりします。

(偽装譜面は)パッと見、あんまり自分の譜面知らない人って感じはしますね。過去のDPの作品から推測して配置してるイメージ
自分の他の発狂譜面知ってるなら曲の雰囲気で難易度高くなる予測できた気がしなくもない

 

[HLW] 千年之羽

難易度見た時点でDX43が本人です。お疲れさまでした。

 真面目な話、「千年」之羽なのに難易度1000以外をつけるのは難しいですし、ここに43という他に解釈しようのない数字を持ってこれる時点でparaphと本人以外の可能性が一切消え失せます (詳しくはコメント参照)。そして自分には「偽装です」って言ってこんなアグレッシブ極まる斬新な譜面を出す勇気もクリエイティビティもないです。

さて、HLW譜面の特徴ですが、

曲ごとにコンセプトが明確に定まった譜面

1小節以上の長い塊を上下、左右のどちらかにミラーを入れて繰り返す配置

・両端から中央に向けた押し捻り

・246などの遠配置を用いた重心移動

・捻りながらの重心移動はほとんど無い、特に中央をまたぐ遠捻りは重心が移動しない

となっています。これらの特徴は、上のTakeoverの偽装側DH11の特徴をバリバリに満たしまくっており、HLW譜面にKITUNEふりかけを少しふりかけた感じの譜面になっていました。

さて、難易度15以上の高難易度譜面については、これに加えて

 ・二枚抜きの多用

・曲とは一切関係なく、ゲーム等に関連したコンセプト設定

・背景知識を必要とする難易度数値設定

・クリアできるかどうかギリギリのラインを攻めた難易度

などの要素が追加されます。これら特徴の中でも特にコンセプト設定はかなり重要で、高難易度でも低難易度でも明確にコンセプトが定まっている、いわば「これがやりたかっただけだろ」みたいな譜面が大多数を占める印象です。

 さて、ここまでの特徴をもとに本人譜面を考えると、明らかにクリアさせる気がなく、またコンセプトが不明瞭 (ボーカルの逆側がなにの音を表しているのかがわからない) DX3が真っ先に除外できます。

 次に本人との予想が多かったDH9ですが、比較的印象に残りやすい「21小節目の遠い外捻り」「23小節目の下向き16分3連×2」「29小節目の遠捻り」がいずれも本人譜面の特徴と真っ向から反対する遠捻りしながらの重心移動となり、偽装と判断することができます。特に今回は重心移動する際に休符が挟まっており、しかもそのタイミングでそれまでの流れとは逆向きへの重心移動を余儀なくされることから、明確に偽装譜面、それもバー持ちメインプレイヤーによる偽装であると確定できます*1

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えぬつーさんはこんなの置かない

 また、DH8はコンセプト感が弱い以上に、Bメロがサビとほぼ同じ難易度を持つ辺りが本人譜面ではない根拠になります。というか、配置の殆どが君と星が消えた日 DH7とMake a Wish with You DH8からの引用になっており、特別な意図があった引用でもない限りは苦し紛れに作った偽装譜面じゃないかと判断できます。

 さて残ったDX43ですが、難易度設定の時点で本人……というか、上の特徴を満たした上でなんかどっかで見た事ある配置があってかなりの本人です。このなんかどっかで見た事ある配置、Takeoverの偽装譜面にも存在します。Takeoverの方はKITUNE譜面によくある階段からの振り回しの周期が曲と合わなかったからと言い訳できるかもしれませんが……千年之羽のこの配置は言い逃れのしようがないです。普通に譜面作っててこれが出てくる人はほとんどいません。

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なんかどっかで見た事ある配置

 正直に言って、ここの本人正解率が低かったのはいくらなんでも研究不足が過ぎると思います。ちゃんと過去譜面を漁れば (特にHLWは全譜面がHagoromoSimfilesなのでさかのぼりやすい) 低難易度だろうと高難易度だろうと特徴は掴みやすいですし、何より「中央またぐ捻りがあるからHLW」とか「停止するからHLW」とか「ソフランするのはHLWじゃない」みたいなふわふわしたイメージだけで選んでしまったような人が多いのがなんとも言えない気分になりました。ていうかHLW譜面に低速は4曲ありますが、停止は1回たりとも使われてないんですよね。そういう点ではDX43にも本人らしくない要素があると言えますが……色を変えるためらしいです。詳しくはコメント参照。

 偽装者については、明らかにクリアさせる気のないDX3は前回も明らかにクリアさせる気のない譜面を書いたHISAであろうと予想しやすいと思います。その時点で他の2譜面が追加偽装で確定するので、teneno/paraphになります。ここの判断はまあ見たとおりだと思います。

 

・HLWからのコメント (本人)

(難易度表記について) reffering HI3 v4.3, where Feather of Aeon was added as chapter XX.

(サビの矢印の色分けについて) The colors of arrow are quite illustrative in this chart: red shows Chi Ling Phoenix while blue does SKM and even Valkyria Accipiter. Yes, over tons of thousand years, she was MANTIS, Chi Ling, Empyrea, Phoenix, Watson, SKM, HoS, and now she is only an Class Rep! Of course the advertisement at final cut was implemented as colorful arrows. That's why I choosed this version.

(59、60小節目の配置について) Fu Hua. It was accidental one tbh.

(手配置について) She often slaps the ground with Ki-Charged Palm, right? When you use hands, you're Fu Hua.

 

・tenenoからのコメント (追加偽装)

 まず発狂作るか低難易度作るかで悩んで、HLWさんは低難易度作りそうだなと思ったので低難易度に舵切り。
同時後の入り足がちょいちょい怪しいことがあるHLWさんの特徴をちょいちょい入れようとちょいちょい頑張りました。
その他はほぼ手癖。いや私も4年くらい前までこういう譜面ばっかり作ってたからこういう譜面作りますよそりゃ。

 

・paraphからのコメント (追加偽装)

 てねのさんに「なんか追加偽装したらどうですか?」って言われて乱数引いて当たったやつがこれでした。

 明るい曲でゴミを、落ち着いた曲で低難易度を作る傾向にあるHLWさんにおいて、どちらでもない中間的な属性を持つこの曲をチョイスするのもさることながら、フル版があるにも関わらずわざわざ最後に宣伝が入るバージョンを選んできたのが最悪過ぎて、もう曲送られてきた時点で最高でした。

 実は本人譜面受け取ってひとしきり笑った後に偽装作ることが決まったので、敢えて低難易度方向での偽装を試みたんですがうまくコンセプトが定まらず、要素だけ拾って本人と矛盾しないように構築してみたら結局ほとんどコピー譜面になりました。

 正直DX43は今回の企画でも飛び抜けていい譜面だと思います。lua使えない制約を逆手に取ってラストにゴミを配置する発想が素直に凄いですね。完敗。

 

[GOLDKINE] LOVING TRIP

 順番戻ってLOVING TRIPです。GOLDKINEは参加2回目ですが、DOUBLE PRETENDERS2の記事が書けていないのでまだ傾向を紹介できていないので改めて紹介しておきます。

・滝は均等に振り回すが右向きの配置が多く、どちらかといえば見た目重視

・捻りは真ん中から端に向けてに後ろ通しすることが比較的多い

・特に中央から右向きへの移動はほとんど2P↓ (見た目重視)

・音合わせに1歩足す形のリズム取り、もしくは素直に滝

・ウネウネしたソフランや超大BPMを利用したギミックを多用

ソフランさせるタイミングで何かしらを踏む

・ちょくちょく交互に踏めなくなる

・ロールアローを8分や4分の同レーン連打の代用、あるいは二枚抜きにすることが多い

・STOPが0.005秒単位あるいは0.010秒単位で調整されている

 LOVING TRIPについては、最後の1行のせいで明らかに判定がズレるシーンがあり、アウトロでのオフセットズレ (これは曲の問題) との兼ね合いもあって主催側で勝手に修正しました。

 さて今回の譜面ですが、DH12はかなり本人の特徴が強く出ています (サビ以降は中央から右への移動が2P↑中心になり、左向きの傾向もやや強いので一概には言えません) 。特に交互に踏めない部分が数箇所あるという時点で、(前回のWelcome to the Clubの例もありますが) こちらの譜面は実質AKUDOとGOLDKINEの二択になるのではないかと思います。偽装でこの非交互を置けたらかなり研究してて、かつ勇気がある人ということで、名誉GOLDKINEの称号を授けるところでした*2

 一方でDH13はかなりPIUらしさを全面に押し出した譜面で、ほとんど音に合っていないのが特徴です。中でも二枚抜きはほとんどが真ん中6枚に寄っていて、これはtenenoの特徴が強く出ています。こちらについてはtenenoのコメントを参照するのが一番手っ取り早いとは思いますが、ぶっちゃけGOLDKINE本人に寄せるつもりは全然なく、別のアプローチから偽装を試みたパターンです。スプレッドシートで指摘があったとおりPIU XXを踏み込んでいる人、という点から絞り込みが容易であると思います。というわけで本人はDH12偽装がDH13でtenenoという結果になります。どうでもいいですが、偽装譜面が1個しか無い曲の偽装担当者はtenenoである確率がかなり上がります。

 

・tenenoからのコメント (偽装)

すーさんの偽装というよりNIMGOの偽装を目指しました。
途中の停止はHyainth D24でサビ前の2枚抜きとサビラストの振り回しはJogging D22。
すーさんが思いの外WorldMAXに脳みそやられててmsgoon譜面作ってくるのは予想できませんでした。無茶言うな。
ひさくんさんにすー太郎の譜面をなめてるって言われたんですけど、実質NIMGOの偽装をしたすーさんの偽装なのでモーマンタイです。
ちなみに音源配布後1時間で完成して提出したのがこの譜面。
https://twitter.com/paraphrohn/status/1368597548110290944?s=20

 

・paraphからのコメント (主催)

 こいつが1時間で提出されたせいでSpring Carnival譜面の修正が中途半端になりました。

 今回のtenenoは偽装する気あるんかないんかは別としてこういった新しいアプローチでの偽装を試みていて面白かったです。

 

[HISA] 恋のメリーゴーランド

🍣

 

遠配置譜面には基本的には2種類があって、

・重心移動が遠い譜面

・重心はそのまま配置が遠い譜面

があります。

 前者の典型例がHLWさんのMake a Wish with You DH8、後者の典型例がVacation Funk DH14です。まずはこの2つの違いをちゃんと把握するのが大事です。交互に踏まない人にとっては後者のほうが簡単に感じる傾向があるようです。

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(左) Make a Wish with You DH8 (右) Vacation Funk DH14

 ところで交互に踏まないことを前提とすると、この2つを組み合わせたような譜面も考えられます。それがHISA譜面の最大の特徴です。このような譜面は1P側を左足、2P側を右足でほとんどスライド処理することになり、結果として開脚したまま両足スリスリする凄まじい見た目になりがちです (例: Pretty G DH10、ポーポポーポポ DX11)

 こういった譜面は、片側サイドに5歩以上続く場所が極めて少なく、また見た目に反していわゆる典型的なビジステ配置があまり無いことが多いです *3。これを踏まえた上で恋のメリーゴーランドの譜面を見比べてみれば、明らかにDX13がこちらに該当し、本人譜面であるとわかります。DH10もその傾向はあるにはありますが、どちらかといえばBPM100くらいで重心移動が遠い譜面を置いてそのまま加速したような印象を受けます。

 また、スプレッドシートで指摘されていた「音取りがjubeatっぽい」も良い着眼点で、本人は否定していたものの、なんだかんだで無意識のうちにその曲に対する音取りを刷り込まれてしまいますので、初出機種を遊んでいたならばそれに似る傾向があるのも強いかと思います。

 偽装側を当てるのは難しいんですが、上に述べたとおり重心移動が遠い譜面を交互前提で書いたとして、それを最初から最後までずっと配置する人……All is Fair in Love and 獣耳ロリでそんなことをやった人がいました。BMTです。個人的にはここにparaphの名前が少なかったのは結構意外でした。配置は難しすぎるきらいはあれparaph譜面の特徴をよく満たしていると思います。

 

・HISAからのコメント (本人)

偽装譜面の感想なんですけど、数箇所簡単に判別できる要素があるんですよね
Bメロのボックス配置なんすけど、あれ僕が絶対書かない
全体的な構成は上手く偽装できてるなって感じ(縦連億場所とか)
僕の譜面は全部入り感あるのでUgly Deeeeeeeeeeeとか見てないとわからんかもですね
偽装の方の譜面のレーティングは僕でも10って付けたと思います

 

[kai] REZIDUAL MiND

 BMS畑出身のkaiが音のないところに譜面を置くとは考えにくく、kubi DX13は開始1秒で偽装と切り捨てられます。また本人が滝の中に突然2枚抜き処理しないと非交互になるような配置を目印なしに置くことはないのでude DEdit14も偽装です。よって残ったkoyubi DH13が本人譜面です。ここは簡単だと思います。

 偽装者を当てるのも簡単で、開始直後からノートを多めに配置してかつkubi DX13の10小節目にあるロールを置くのはQしかいません (参考: 冒険者たち DH10)。よって残ったude DEdit14がtenenoとなって終了です。短い……

 

・tenenoからのコメント (追加偽装)

まずkaiさんに一つ謝罪事項があります。
kaiさんがsimfileに同封してたメモに意味不明な素材やら注意書きやらが入ってたんですけど、
その中に「今回はあまりBMS譜面に寄せる必要はないです」って書いてあったんですよ。
これ完全に読み飛ばしてまして、譜面が完成した後に気が付きました。
もう仕方ないんで注意書きを全く読んでない人として譜面出しました。
大変申し訳ございませんでした。sozaiフォルダなんなんですかあれ。

 

・paraphからのコメント (主催)

ラスサビのボーカルが怪しくなる部分で腰が破壊されるのは意図的ですか?

[OKUNO] 無敵☆Moment

 Basyou DM9が偽装Ougai DH10が本人です。ここはかなり偽装譜面の精度が高かったので主催者であってもなお自信を持って判断することが難しかったです。なのでそれっぽいと思った要素だけ列挙しておきます。

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Basyou DM9 (左上) 極めて平坦な場所に出てくる1245431系配置 (本人曰く「センタートルネード配置」) (右上) マジで何の音にも合っていない4分、これはどうなんだ? (左下) 引き返した先から更に引くことはほぼ無い印象 (右下) 前回のパーティを止めないでを強く意識したであろうHold+4分配置が頻出

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Ougai DH10 (左上) 「狭い側」でのスラッシュ配置 (左) 中央での足回し (左下) 曲のキメで連続引き配置+重心をどっしり取った同時 (右上) 足を一度後ろに引いてから前に押し出す遠配置 (右下) 体の向きを変えながらの連続押し遠配置

 また全体を通してBasyou DM9は中央での向き変更が遠配置になっている事が多く、3454や7545を含んだ「巻き込み配置」や「センタートルネード」を特に意識するOKUNOにしては多少違和感がありました。というわけでOugai DH10のほうが本人力が強いと思います。

 主催がOKUNO譜面への造詣がさほど深くないこともありますが、それにしても偽装がかなり上手く、正直ほとんどノーヒントでの判断になってしまったのではないかと思います。前回に引き続き、slaimの偽装力の高さを示す良い譜面でした。

 

 ・OKUNOからのコメント (本人)

今回に関しては、修正した最後の2小節が特大ヒントなので…
「中央絡みで捻る」「捻った体勢から脚を開く形の同時で締める」
これだけで本人譜面断定できる要素です
自選の偽装譜面は本当によくできてる、ちゃんと研究したんだなって思います

 

[Q] 遥かな空へ SKYGUNNER OP

 提出者であるQはこのゲームのRTAを最近やっています。

 RTAっていうものはよっぽどそのゲームが好きでもない限り結構難しく、何ならRTAをしたせいでそのゲームが嫌いになってしまうこともあるくらいなんですが……それだけ好きなゲーム (本人はこのゲームのために初期型PS3さえ購入している!) のOP曲で譜面を作るというのはかなりの意味を持っているものです。

 その背景を踏まえた上で、この「エモい」曲に譜面をつけるとしたら……ノリノリで楽しめる譜面よりも、BGAを楽しみながら落ち着いてしみじみと踏める譜面を作るのではないでしょうか。すなわちW DH7が本人です。譜面も中央6パネが多く、特徴的な階段配置や小ボックスになる足回し、更にはSatori Vivace!などにも登場するHoldピボット配置などQの特徴をよく満たしている譜面です。

 B DX8も偽装譜面としてはかなり完成度が高いと思います。引っかかるのは曲の雰囲気に反する同時の多さ *4 と33小節目にある踏み方のよくわからない2枚抜き風味の (実際には2枚抜きじゃなくて問題ないが) ホールド→同時でしょうか。とはいえ本人が結構いろんな譜面を置くタイプでもあり、これを「Qの譜面です」って言われたら普通に納得すると思います。

 

・paraphからのコメント (主催)

W DH7はマジでいい譜面だと思います。低難易度だけどBGA ONにしてぜひ踏んでほしい。

5小節目から譜面がなくなるところとか、64小節目から4分ホールドが始まるところとか痺れますね。U SAiDと同じ精神性を持った譜面。

強いて挙げるならラストの地雷は8に置いたほうが良かったかと。余韻が台無しなので

 

[slaim] elegante

 まあPyramid DX15は偽装ですね。たまに頭アッパラパーになるのは同意しますが、流石にここまでカスな譜面は書かないと思いますしいくらなんでも交互に踏めなさすぎです。teneno

 残るTemple DH12とSlam DH13ですが、Temple DH12の36小節目に明らかに不審な長さのホールドがある以上に、Slam DH13の休憩地帯の使い方があまりにもslaimである (GIN TONIC FLAVORのドラムソロを全部休憩にしたのに近い) ことからSlam DH13が本人です。他はスプレッドシート上での指摘の通り大階段や音のアピールの仕方等本人譜面の特徴をよく満たしています。

 Temple DH12の偽装者を当てるのは結構難しいです。36小節目のホールドが不審なのはもちろんそうですが、よく見ると9~15小節のピアノのリズムがちょっとおかしく、44小節目のリズムが何にも合っていない *5 のがわかります。それに加えて明らかにおかしい難易度バランス、2・4拍目に同時を置きたがる傾向 (なのにその直後に8分を置かない)、そして後半の滝が見た目重視……答えはAKUDOです。アクドだけは何としても当てるとか言ってた人がいた気がしますね。残念でした。まあここを当てるのは結構難しいです。

 

・slaimからのコメント (本人)

[DX]Temple DH12のほう
音合わせやハンドクラップに合わせた配置はとても良いと思いますが、どの音を譜面に採用するかの感性の違いが出て解散した感じと思われます。
純粋階段は滝中にはあまり使っていない気がします。音程や体の向きに合わせた結果階段になることはありますが、あくまで音程とかに合わせる方がメインのことが多いです。

Pyramid DX15のほう
譜面自体は良い譜面だと思いますが、このイベントで私slaimの偽装譜面としてこの譜面を提出した意図を半日くらいかけて伺いたいです。

 

・tenenoからのコメント (追加偽装)
普通は偽装でこんな攻めた譜面書く人いないと思います。それを逆手に取って超攻めた譜面にしてみました。
他の人ならほぼ書きそうにないけどslaimさんはたまにアッパラパーになるのでやるかもしれん、という思考撹乱を狙いました。
ちなみにgorillanteとか全く知りませんでした。曲だけ聞いてこれ軸多そうだなーって一瞬で思いついた譜面です。

どうでもいいんですけどNXAのピラミッドカスすぎて和尚しました。

 

[teneno] FINAL FLASH (Shortcut)

 THE DX13が本人です。tenenoがめっちゃ切れてました。下手なこと言うと怒られそうなので詳しくは本人からのコメントを参照してください。

 ちなみにtenenoは270度をそこそこ使う方であり、Spring Carnival DX13とは異なりその場から動かないまま、現在の捻り向きを更に強化する方向で1歩だけ270度に置くのが特徴です。さらに言えば、270度のような特徴的な配置は左右で同じ形を繰り返すことが多く、また270度配置の殆どは424、434、565、575のどれかです。さらに言えばLOVING TRIPで使ったホールドを用いたスライド配置等が中央6パネに寄っているなどteneno譜面の特徴はよく出ている (総集編に近い) と思います。まあ後半スカスカなのは本人っぽくないですが。

 偽装者は特徴的には捻りながらの2連打や真ん中が2枚抜きになった地団駄など、slaimの特徴が強いです。が、後半の8分振り回しの中に狭い方のスラッシュ配置や小ボックスが連続して登場します。正解はOKUNOでした。2連続teneno、申し訳ありませんでした。

 

・tenenoからのコメント (本人)
kaiさんから本人っぽくないって言われてひさくんさんからてねの譜面をなめてるって言われて散々でした。
いや私もこういう譜面書きますよ。なんで?
最初はShortcutじゃなかったんですけどなんかダラダラと間延び感あったんでバッサリカットしてShortcutにしました。

 

偽装者には下記2つの譜面を「こんな譜面作ることもありますよ」という温度感で渡しました。

https://twitter.com/teneno22/status/1379358704164728837?s=20

https://twitter.com/teneno22/status/1379361088119037953?s=20

これを踏まえて前半は2枚抜きが目立ち、後半は捻り渡りと振り回しが主体になったのかと思います。
以下、譜面の上から順に良かった点悪かった点等です。


①0~3小節目
開幕低速はあまり置かないかも。
仮に低速は置いたとして、この位置から譜面が始まるのは絶対にやらないと思います。
曲のノリを重視しているので、ここから譜面が始まると
「同じ音0小節目から鳴ってるから最初から置けばいいじゃん」と気持ち悪くなってしまう体質なもんで...。
0小節目から始まるか、THEみたいにドラムから始めるかの2パターンですね。


②4~11小節目
8分&16分のリズムがほぼ同一に4回繰り返される箇所です。
まず16分地団駄ですが、この形で置くなら地団駄直後に8分間隔を空けることはないです。
テンションと流れを重視したいのにここで途切れてしまうんですよね。優先度がテンションとノリ>鳴ってる音です。
10~11小節目に関しては、THEの方でそこまでのリズムを崩しています。
私は基本的にリズムを繰り返すときは3回同じのやって4回目で崩すって感じですね(曲のノリにも依存しますけど)
地団駄の2枚抜きに関しては、この速さで2枚抜きを置くなら私もこうしてると思います。


③12~43小節目
Aメロ全部です。
リズムに関しては、②と同様流れを切りたくないので12小節目とかそこまで空白を空けないです。
もし空けたとしたら横移動を追加することでテンションを維持するかと。その点24~25小節目の左右振りはやりかねんかもしれません。
22小節目の2枚抜きも大変腰に悪くていい配置だと思います。
ちょいちょい混じる体の位置を固定してしまう2縦連はテンション維持の観点からするとやや敬遠しがちです。
渡らせたり捻った直後に縦連を置いて捻ったまま体の向きを固定させるみたいな置き方はすることがあります。
あと、先述のリズム崩しの際にアクセントとか交互配置の調整とかに入れたりもしますかね。


④44~59小節目
配置はともかく、リズムが最大の問題です。
何に合わせてこのリズムになったんですかねこれ...。私は5回生まれ変わってもこのリズム置かないです。
58~59小節目は②の4回目リズム崩しが入ってていいですね。


⑤60小節~91小節目
渡ったor捻った直後の2縦連がいい味出してて好きです。③の最後で書いたやつがまさにこんな感じです。
捻り方も渡り方もかなり好きなタイプです。ただ、64~65小節目の真ん中の配置はこのスピードだと絶対にやらないですね...。
65小節目の54345で足回すところは月下15の低速みがあるんですけど、あれは低速で先の配置まで見切れるから置いてただけです。
このスピードで来るとただのアクド交互になるので絶対にやりません。
76小節目の左に思いっきり捻ってから77小節目で右に戻るのいいですね。捻りが楽しくなる配置です。
めちゃくちゃ細かいですけど、80~81小節目にまたがる8分4連の地団駄の形はたぶん置かないですね。
私は8分滝を置く時BPM250までは8分、260以上から16分の感覚で置くので、ただの8分滝で地団駄置いてもテンション下がるなと思ってしまうわけです。
地団駄を含んだ繰り返し配置とか曲がここだけ地団駄置くテンションになってるとかなら置くんですけどね。
意図無く無秩序に置くことはないです。月下15の48秒はああしないと交互にならなかったってだけです。
てかTHE見返したら8分4連以上の繰り返しほんとに1つもなくて笑いました。
90小節目の腰グイングインする2枚抜き配置は私の大好物です。


⑥92小節目以降
今回私はここに譜面置かなかったですけど場合によってはこういうふうに置いてたかもしれません。
Star Command Fullsong D24みたいですねこれ。
てかここでTHEと同じリズム置いてるのになんで④部分でこれ置かなかったんですか??


○全体感
「私こんなの置かねーよ!」って点の方が多くなってしまいましたけど、
譜面の難易度としては私がヒイヒイいいながらも1発クリアできるいい感じのラインだったのは凄いと思います。
ただ、全体的に見ると2枚抜きが譜面のマストというか、技術的な2枚抜きがほとんどないんですよね...。
私の2枚抜き譜面はどれも2枚抜き技術ないと何もできないタイプばっかりでハデスさんから忌避されるレベルです。
まあでもこのBPMで2枚抜きマスト譜面作ったら体バラバラになりそうな気もしますね。
ってところまで考えて結局私は2枚抜き置かないかもしれません。実際置きませんでした。

まとめるとこんな感じですね。
良い点:絶妙な難易度、2枚抜き絡みの捻り、振り回し&渡りの配置
悪い点:流れが途切れる空白、謎リズム、アクド、あまり技術を必要としない2枚抜き


kaiさんはおそらく65小節目のアクドを交互に踏めないと見てこっちは本人置かなさそうと言ってましたね。
あの推察は大変いい線いってたのでそのまま貫いてほしかったです(私が交互に踏める旨を伝えて撹乱したのもありますけど)

 

※ここで書いた私この配置やりません的な指摘はあくまで一例です。
 「この譜面この配置置いてるじゃねーか!」みたいな発見があったらアクドさんが私に代わって謝罪致します。

 

・paraphからのコメント (主催)

ちなみに偽装用の資料としては月下の騎士は、魂の牢獄に囚われ。の他にも小さな恋のうた、Imperishable Night 2006、Blow、Pangaeaを渡しています。悪意がある? いやこの辺の譜面が形やコンセプトに囚われずに一番自由に置かれてる配置かなって……あと2枚抜きのない譜面っていうリクエストもあったので……

 

[paraph] glory day(siqlo's Hi-Tech Veats)

 今回も正解率100%でした。paraph譜面の特徴として「ギミック系のソフランは基本見た目通りに踏める」「要所要所でホールドを伸ばして休憩させる」というのがあり、Mal DX14は前者を、Apricot DX14は後者を明確に破っていることからこれらは偽装と判断できます。よって残ったSin DX13が本人となります

 偽装者の判断ですが、どちらかが残っているGOLDKINE、もう一方がtenenoになります。smファイルを開いてみると、Mal DX14ではすべての停止が0.005秒刻みで調整されていることがわかります。このことからこちらがGOLDKINEで確定します。これは他の譜面が一切わからなくても痕跡だけで確定できる貴重な譜面なのでぜひ当てておきたいところです。

 もう一方はtenenoになりますが、全体的に高密度で2枚抜きが多く、楽節ごとに流れを繋げようとする手癖が見えることからこちらもかなり明白です。詳しくは本人コメントを参照してください。

 

・tenenoからのコメント (追加偽装)

どうも、杏大爷です。
結果的に一番気合い入れて作った偽装譜面なんですけど、ちょいちょい粗が見えますね。40%くらいてねのが滲み出てる感じ。
一番気合い入れて作ったんで反省点も一番多いです。

①スタッターとふわりが多すぎる
paraph譜面のギミックは譜面認識を阻害しない程度の演出として入っていることが専らだが、
今回の偽装は最初のLet’s goとかもっととばり~~アヘェ...のところとかアルペジオ地帯とか認識難易度を上げてる箇所が多い。
あと単純に数が多すぎ。

②前半のLN地帯
何も思いつかなかったので逃げたのが丸出しでかなりマイナスポイント

③休憩がなさすぎる
常時発狂状態で普通にキツい。緩急がないわけじゃないけど薄い。

④スイッチがない
必須ってわけじゃないと思うけど偽装としての完成度を高めるなら昨今の傾向からして地雷で誘導するスイッチを入れるべきだった。
Malはちゃんとスイッチ入ってた。

⑤8分で純粋に振り回しのGを楽しむための配置がない
こことしてはあるけど次に来る16分の前段階みたいな使い方しかしてなくて、これメインでは置いてない。
16分2連3連を混ぜた形では置いてるけど、上記の休憩なさすぎに通ずる。

⑥2枚抜きが中央に寄りすぎ
これは完全に手癖炸裂。PIUのDは中央2枚抜きが多いからこうなってしまった。

paraphさんの特徴を盛り込みながら譜面を作るのが難しかったので、
まず手癖で譜面を完成させてからparaph要素を盛り込んでいくという手法で作成しました。
コレ自体は悪くなかったと思うんですけど、まず手癖で譜面を作った際に自分なりの「こういう譜面踏みたい」という気持ちが強くなってしまいまして、
結果的にそれを取り除ききれなかったのが先述のてねの要素40%って感じです。
こう考えると最初から「こんな譜面踏みたくない」って思いながら作れるアクド枠は全く邪念無く偽装できるのでありがたいですね。カス。

 

・paraphからのコメント (本人)

 自作譜面について「愛が足りない」とかkaiに言われてめちゃくちゃ悲しかったんですが、これが愛の形です。

 ツイートが消えてしまっていて引っ張ってこれなかったんですが、作曲者であるsiqloさんがかつて「Emotional Dubstepのキモはボーカルとダブステの両方が組み合わさること」みたいな発言をしていて、これを元にU SAiDやMe & Uにおいてはボーカルとダブステのどちらかに偏ることなく両方をまんべんなく拾った譜面を作ることを心がけていました*6

 また、siqloさんはHi-Techにおいて最初のドロップを終わりにもう一度入れることを意識して行っているようで (一部のsiqlo's Hi-Tech Veatsには取り入れられていません) 、この部分も尊重した譜面作りになります。

  この辺りを踏まえた上で、なおかつEDMシーンにおける曲の盛り上がりを考えた上で全体の難易度や配置を構築した結果がSin DX13というわけです。

 

9~16小節目 (ドロップ)

 8小節目や9小節目頭など、siqloさんの曲にスキップのリズムをよく取り入れるのは自分の特徴の一つだと思います。こういった16分のリズムは黄色矢印そのものではなく直後の赤矢印を際立たせるためのもので、音に合ってるかどうかはそこまで重視していません*7

 最もアピールされているのは頭のシンバルに合わせた2枚抜きで、その後にシンバルほど強くはないがある程度の強さを持つクラップが入るので4分を置きたい、しかしそれではHi-Techとしての (比較的) 複雑なリズムと流れを完全に捨ててしまう上に動きが固くなってしまうことからこのような形となりました。ダジャレとかではなく、Hi-TechというとTechなイメージがあるので全体的に振り回しを抑えてテクニカルな譜面に仕上げています。

 

17~24小節目 (Aメロ前半)

 確かに後ろにはドロップと同じような音が鳴っていますが、ここはAメロであり、一言で言えばドロップで高ぶった感情をある程度落ち着かせる役割を持ったセクションです。ドロップとは明確に役割が違うことから、同じ配置を置くことはまずありえません。

 しかしHi-Tech要素がありテンションを落としきっているわけでもなく、ボーカルだけを拾うのもそれはそれでまた違和感がバリバリなので、全体的に拾う音を減らすと同時に硬い同時を入れるなどしてテンションをある程度抑えつつもハイテック感のあるリズム取りを目指しています。

 音を全部拾えば偽装譜面のような特徴あるリズムになったとは思いますが、果たして「音があるから」という理由だけで矢印を置きまくって曲全体の中で与えられた役割を無視するのは愛と呼べるでしょうか? 僕はそもそも音があるから譜面を置いたみたいな譜面 *8 が大嫌いなので、それだけはどうしても避けたかった点です。そこを否定されるのが一番キツいんですよね。

 Aメロに一切ソフランが入っていないのもそのためです。ここを印象に残す理由が一切ないので、平坦な譜面にしているだけです。

 

25~33小節目 (Aメロ後半)

 ハイテック分が消えるのでリズムも譜面もシンプルにします。偽装譜面みたいに16分を置くと難易度が垂直上昇しますし、例によってここを印象に残す必要も無いのでただの8分で、振り回しも抑え気味に流せる配置になっています。

 

34小節目~39小節目 (Bメロ)

 ここの配置を一番最初に決めました。自分の中で「ホールドに挟まれている状態での2枚抜き地団駄」というのは前回のD3F4UL7に使われていたホールド+スイッチ縦連と同じような精神性を持っています (動きが似ているので)。それを利用して、同じ音が連続して鳴っている部分でこういった配置をすることがよくあります。

 挟むためのホールドは基本的に1歩ずつ置いていきます。同時にホールドを始めるとそこの同時が強調されてしまい、続く2枚抜き地団駄の印象が薄くなります。今回は都合よく8分の音が鳴っていたので自然に入ることができました。

 また37小節目だけ音階が変わっていることから、地団駄のは位置を外してホールドの位置を上げているのもポイントです。むしろ、こういった細かいところを拾っていくことこそが重要なんじゃないかと思っています。

 

40~47小節目 (低速)

 いつも通りの配置です。41小節目に1歩だけ青がありますが、これはちょっとだけボーカルを拾っているものです。ボーカルの流れを重視した長いホールドから微妙な拾い方を挟んで別の音 (今回はピアノ) に移行するリズム取りは主にkatagiri曲で使うものですが、今回はボーカルの音程がちょうどその流れに一致していたので採用しました*9。まあこういった低速では特定の音を拾わずとりあえずホールド伸ばす傾向が強いですけど。

 後半の同時の形はsiqloさんの曲で頻繁に使うものです。流石に露骨すぎたかもしれませんがそれを意識して形を変えるのも違うなと思ったのでそのまま使っています。また、低速にも容赦なく32分を入れていきますが、この場合は可能な限り簡単な配置にするように心がけています。実際今回の配置も踏みやすいですし、One Way Streetの低速も見た目の割に簡単に踏めます。

 

48~61小節目 (ドロップ?)

 実はこの部分が曲全体においてどういう役割を持っているのかはまだ悩んでいます。ただ、前後の流れやsiqloさんの手癖も考えて、恐らくPurple Hyacinth feat. Noricoの2:16~に相当する部分であると考えて*10、サビのような扱いはしないこととしました。そのため、特に特定の音を拾うこともせず (ホールド+スライド誘導でシンセの頭の4分だけアピールしていますが)、全体に簡単な配置で流しています。

 また、この部分の低速はMal DX14が揃えてきたのに対してApricot DX14とはまるで意見が合わず、文字通りの解散どころか一触即発の領域にまで達したのですが、そもそも低速であること自体に大した意味はないという解釈になっています。つまり、Me & Uの六角形地帯における色反転や【Freak《Show】Down》の開幕の地雷など、「音が変わる事象」に対して何かしらの変化を与えて二種類の流れが交互に現れている様を表す手段の一つとして低速を選んだにすぎない訳です。低速を選んだ例としては他にもVALLISTAの中盤があります。ギミックならばIgnis Fattus (DM Ashura Mix) S23敵性夕立/鏡面海域なんかがそれに近いと思います。表と裏、黒と白、とりあえずなんでもいいんです。

 低速の配置では、後ろで鳴っているアルペジオは筐体ではあんまり聞こえないだろうと思ったのと、上で述べたとおり曲全体における役割においてアピールする場所でもないことを踏まえてキックをメインに拾って難易度を抑えています。

 4回目だけ低速になってない理由は単純に収まりが悪かったからですが、思えば4回目だけリズムを変えることは昔からよくやっていたような気がしたのでそのまま押し通しました。少なくとも遅くなってるよりは流れがきれいに繋がっていると思います。

 

62~77小節目 (サビ)

 実際にはサビじゃないんですけどサビみたいな扱いにしています。「テンション」って音楽用語としては「緊張」であって、解放されることではじめて意味を持つものとされています。これまで抑えめの配置で高めてきたそういう意味でのテンションを、glory DAYに合わせて解放するための配置をしています。

 前半はいつもどおりの8分でしたが、曲全体に対する重要性の割に難易度が足りない気もしたので、後半では曲を全く無視した16分を大量に突っ込んで難易度を底上げしています。また74小節目からは再度テンションを高める流れが入るので配置をゆるくしてから16分に繋げています。77小節目も同様にテンションをglory DAYのピークに合わせるための配置です。

 振り回しの配置についてはさんざん解説したのでいまさら不要だとは思います。

 

78小節~ (ドロップ)

 存分にアピールすべきボーカルとHi-Tech要素が混ざり合う重要な場所です。今回はシンプルにボーカルのロングトーンを抑えながらHi-Techを二枚抜きしまくる譜面として仕上げました。ここでボーカルを無視するのは曲構成上あってはならないことです。

 こういうコンセプト先行型のセクションでは、音に合わせたアクセントを付けるのがすごく難しくなります。今回はクラップとシンバルについて、ホールドを挟んだ反対側に置いて足の動きを音の強さに合わせるような配置にしています。

 

総括

 確かに偽装のレベルは上がっているとは思いますが、今回はそれ以上に予想の適当さが目立った回になったと感じています。もちろん実際にプレイしに行くことが困難な情勢で、しかも過去の知見から「本人っぽくない」譜面の避け方や「本人らしさ」の演出法が確立してきた現在では本人予想も難しいとは思いますが……それにしても明らかにありえない選択をしている例が多かったのが気にかかりました。

 回数を重ねることで偽装としてのステップが「なんとなくそれっぽいを目指す」から「細かいパーツを研究して似せていく」へと上がっていっているのに対して、偽装者本人に比べて予想者はどうしても本人譜面の研究が薄くなってしまっているのが主な原因だとは思います。また、前回のWelcome to the Clubの事例のせいであまりにも本人過ぎる譜面を逆に疑うパターンも増えているとは思います。そういうときこそ、しっかりとした研究が重要になってきます。ちなみに主催は期間中ずっとHLWの譜面を眺めてました。最近譜面作ってないのは主にそれが原因です。

 今回は結構ギリギリでの記入であったのでそこまで影響はなかったですが、HLWが千年之羽の予想欄に上から「paraph/teneno/AKUDO」と記入したせいで一瞬でDX43が本人確定するところでした。その事も踏まえて、もし次回が開催するのであれば予想シートの形式も少し修正を加えるかもしれません。

 とにかくこの手のイベントは予想を頑張ったほうが楽しいですので、予習復習をしっかりするのが良いというのが全体的な感想でした。もし次回が開かれるならまた頑張りましょう。

*1:ちなみに、えぬつーさんもこれらの配置は絶対に置かないと断言できます。全体に16分が多く、難易度が平坦な譜面であれば23小節目は置くかもしれませんが……この二人は本当に特徴が似通っています

*2:交互になるとかいうAKUDOの寝言は切り捨てていいです。ていうか切り捨てろ。

*3:同一方向に2連続でスライドするよりも、外向き→内向きの順にスライドしたほうが楽なためです

*4:本人は流れを意識したときに自然と同時が減ることが多いです

*5:強いて言うなら4拍目だけドラムかもしれないが、それにしても旋律(?)を途中でぶった切ることを普通するだろうか?

*6:実際にはそういった意識の上で曲が作られているので、多少偏っても自然と両方を体感できる譜面にはなりますが

*7:これは主にクラシック音楽で使われる解釈です。かつて (ベートーベン以前の時代) は装飾音符として扱われていた細かい音価を実際の音符に直した形

*8:例えばstellaとかstellaとかstellaとか

*9:クラシックにおいて、同じ音を含む上下動は1和音のようなものとしてみなすことが多々あります。例えばアルベルティ・バスなど

*10:原曲のPurple Hyacinthでは曲の終わりのドロップ=一番盛り上がる部分における主題を提示しておく役割を持っているので、正確には異なった役割を持っているといえます。ただし、HagoromoSimfilesに出し時は敢えてドロップをカットして役割を変えたので、HagoromoSimfiles版Purple Hyacinthと同じ役割となっています