DOUBLE PRETENDERS 5 譜面感想

先日行われましたDOUBLE PRETENDERS 5の各譜面に対するコメントみたいな何かです。

あくまで主催から見た際の感想なのでお気をつけください。

このバナー貼るのちょっと恥ずかしいんですけど

[AKUDO] PARALLEL★PRISM

(左) 偽装

(右) 本人

 開幕からクライマックスじゃないですか。今回一番良かった場所だと思います。何がって、偽装側が。頭狂ってないと書けない配置が本当に多くて、掘れば掘るほど面白い偽装譜面になってると思います。

(左上) 流れるような非交互 (右上) 何故か1箇所だけ青で終わる16分 (左下) 狂気の左足入り (右下) 何の音にも合ってない低速

 正直最初見た時はほとんどULTRA MEGA HAPPY PARTY!!!の引用じゃんって感想で、よく作り込まれてるのに引用のせいで即座に偽装バレするの勿体ないなとか思ってました。よく考えたら曲の雰囲気が似てるんで譜面は似てても大丈夫なんですね。

 対する本人譜面も黄色終わりの滝とか謎の2連ジャンプとか本人要素強かったんですが、いかんせん滝譜面って偽装譜面として作りやすすぎるんですよね*1。しかもSpring Carnivalの時に「置かない」ってめっちゃ主張してた配置を滝の中に混ぜてたりしたんで*2その辺りが偽装成功率向上につながったのかもしれません。

 AKUDO偽装といえばやっぱりWelcome To the Clubなんですが、本人譜面のアク度を100とするとあの偽装譜面はアク度300くらいあったので満場一致のアクドだったんでした。今回のPARALLEL★PRISMは偽装側がアク度125くらいを叩き出しつつ、ほかにアクドを否定する部分がない丁寧な作り込みで満場一致のアクドを達成したんじゃないかなと思います。「本人らしくない部分が少ない」というストロングスタイルの偽装でめちゃくちゃ評価高いです。

 

[GOLDKINE] XL TECHNO -More Dance Remix-

(左) 偽装

(右) 本人

 これは確認の甘かった主催側の落ち度なんですが、今後こういうのはやめてほしいですね。BPM合わせの件でも偽装側にはずいぶん負担をかけてしまったので次からはきちんとチェックします*3

 せめてこういう譜面があるとかこの譜面を参考に作りますとかそういうのを同梱してくれないと企画として成り立たないんですよ。いやマジで。

 まあ元ネタとかそんなこと関係なく左が偽装なんですけど。非交互は目をつぶるとしてもアクド交互入ってるし。

 

[HISA] Mario Paint (Time Regression Mix for BMS) D-ANOTHER

(左) 本人

(右) 偽装

 いろいろ言ってますが実はここも評価高いです。この曲で譜面作る上で納得感があって、かつ人間がクリアできる譜面っていうと二枚抜きしか思いつかなかったんで地雷の発想は素直に称賛に値します。

 本人譜面はまあそうなるだろうなって感じですけど、偽装側が「人間がクリアできる」「曲に合ってる」「本人がやってもおかしくない」という難しすぎる三要素をきちんと抑えて仕上げてるので良い回になったと思います。難易度設定だけなんとかすべきでしたかね。本人側も21くらいあると思いますけど。

 

[kai] Heathenism Dogma

(左) 本人

(右) 偽装

 譜面については本人側が言及してくれているので省略するとして、ここは譜面云々よりも予想の精度の低さが引っかかりました。BGA付いてるのにラストに地雷ない時点で本人譜面も偽装者も結構絞れると思うんですが、ちょい下調べが足りないかなという感じがあります。

 偽装譜面はたしかに90点以上付くであろう良い出来なんですけど、100点に届くまでの10点はかなり致命的な10点じゃないかと思います。同じく点数高い偽装譜面であるDOUBLE PRETENDERS 3の時の無敵☆Momentのことを考えると、あっちの10点はあんまり致命的じゃなかったんで難しかったんですよね。

 

[KITUNE] Drift

(左) 偽装

(右) 本人

って言いたいんですが今回は自分も似たようなことやらかしてるので何も言えないです。

 偽装側はPARALLEL★PRISMと同じく過去の本人譜面*4をふんだんに引用した形ですが、丁寧に譜面を作る癖がある故にカイツネの狂気に追いつけなかったんじゃないかみたいなのを想像しました。

 実際偽装譜面としてはクオリティ高くて、ここがこうだから偽装!みたいなのを決めつけるのは難しいんじゃないかと思います。強いて挙げるなら曲の展開と滝の形があんまり一致してない気がしますが正直自分でもカイツネの偽装ってどうやればいいのかわからないのでなんとも言えないです。

 配信中にカイツネが言ってた「ソニックの曲でめっちゃソフランする難しい譜面」はUnawakening Floatでしょうね。あの曲とDriftに関係性は特に見当たらないですけど、ソフランする高難易度譜面ではこういうこともあるっていう参考にはなると思います。

 

[OKUNO] ジンギスカン

(左) 偽装

(右) 本人

 どっちも本人らしくないな……っていうのが正直な感想でした。偽装側は無難ですけど本人の要素が無いですし、本人側は難しすぎて判断以前の問題ですし。

 とは言っても譜面引用は必ずやると言った以上、譜面引用の要素が見当たらない偽装側が本人である可能性は低いです。そう考えると本人側にも本人らしい要素がちょっと見えてきます。

(左上) 挨拶代わりの小ボックス (右上) 本人曰く「いつか置きたかった」上スイッチ (左下) 一度引いてから前に押し出す遠配置 (右下) 重心を動かさず向きだけ捻りだけ強化する「やんぬ配置」

 他にも歌詞合わせ大量に散りばめられてますが、この譜面自体は今後の参考資料としては使えるんじゃないでしょうか。とは言ってもこの譜面は「カイツネが作った偽装譜面に見える」って言われたら否定できる要素がないです。

 あと難易度は14ですね。中~強あると思います。

 

[paraph] Elysian Reverie

(左) 本人

(右) 偽装

 偽装譜面はひと目見たときこんなん作るわけねえだろダボかって思ったんですがちゃんと意図があったみたいで安心しました。

 全体的にCyberangelを意識して譜面を作ったと思うんですけど、あの譜面は先に17という難易度が決まっていたために無理やりひねり出した結果なので例外中の例外です*5。確かに前回のコメントでは「曲から勢いをひねり出す」みたいなこと書いた記憶がありますが、明らかに曲に合わない高難易度を作ることはないです。

 あと、スプレッドシート上で指摘のあった6→234の配置ですが、多分Gachi EXTREMEのHackedにあったから安心して置いた感じでしょうか。そうだとしたらなかなかに心外です。

 

[Q] Blue Sky in Heart

(左) 偽装

(右) 本人

 今回は本人譜面のほうが開始が遅いっていう珍しいパターンでしたね。とは言え比較的まともな譜面を作る印象がある本人に対して、この譜面に10って付けられるのは本人しかいないです。

 偽装側は本人の特徴をつかんだ配置してると思いますが、流石にサビ部分がスカスカすぎますね。DP1冒険者たちが割と似た曲構成してるんで参考にできたと思います。本人側は……N2偽装でしょうかね……すみませんあんまりコメントが思いつかないです。

 

[slaim] 霖風

(左) 偽装

(右) 本人

 ワープ周りの判定で一悶着あった印象深い譜面。偽装側も本人側も割と理詰めで譜面作るタイプなのでいい組み合わせになったと思います。だからこそ偽装側が後半色切り替わるの気付いてるんだったら直せよって思いました。逆ふわり効果にするだけでいいんだから。

 ここは自分が勉強不足だった面もあり、色切り替え以外ではあんまり区別付かなかったです。でも色切り替えだけで-30点くらい入るんで勿体なかったです。実際休憩後のホールドの使い方とかは偽装側のほうが本人のイメージに近かったです。

 

[teneno] Bamboo Grove

 この曲に関しては、この曲にこんな難易度の譜面を付けられることを想像するのは難しかったと思います*6。偽装側はよっぽど頑張ってると思います。

 強いて挙げるならここでしょうか。停止の秒数が謎なのと、本人ならここは間違いなく2枚抜きor同時にするだろうというのは感じました。

ていうかこれ気前がいいですね

 

[HLW] Rubia

(左) 本人

(右) 偽装

負けました。

 何を思ってあの偽装譜面を書いたかについては前回の通りですが、まあなんというか考えの浅さを思い知らされました。本人譜面は本当に真剣にRubiaという曲、および渡世というムービーと向き合って作られたんだろうというのをつくづく感じます。

 DP4Moon Haloで「矢印の色とキャラを対応させることができる」ことを、DP3.5の符華元宵小劇場で「フカには様々な姿がある」ことをそれぞれ示した上で、じゃあこの曲にどういった色をつけるのかという強烈な問いだったわけですね。

まず1歩目が赤の時点で負けを悟りました。

 本人譜面は全体として「変わっていく」ことに重点を置いた譜面構成になっていると感じます。

 自分はフカの曲ということで安直に青を選択しましたが、本人譜面は赤を使っています。前半は使命のために自らを犠牲にしようとするフカ=精衛としてのフカの精神世界で繰り広げられる話なので、精衛の赤が現れているわけです。

 これが青に変わるタイミングも完璧で、使命のためにキアナを拒む精神世界が崩壊する瞬間に青=普通の人間としてのフカの色に変化します。この変化が何よりも大事な点で、ただ青が降ってくるだけではなく、つい先程まで赤だった矢印が青に変わることで強烈な印象を与えられるようになっています。

 もちろんサビに入る瞬間も、ムービーに合わせて譜面の見た目が一気に変化することで、手配置という直接的な表現を使わずに印象深いシーンを作ることに成功しています。

 一番の見せ所になる後半も、偽装譜面側は必死にムービー合わせしてるくせに矢印の情報が洪水のように押し寄せてくるせいで肝心のムービーが見られない上に何が何だかわからなくなるんですね。本人譜面はスッキリとまとまっていて、ムービーの切り替えと矢印の色の切り替えがきっちり合っていることを認識できる構成になっていて一体感が出ています。

 また、偽装側はただ色が流れてくるだけなので、たとえ真ん中の2レーンしか矢印を置いていなかったとしても、博物館の展示を眺めているだけのような感覚になります。本人側のような変化を体験できるギミックは早々無いんじゃないかと思います……これ本当にすごいと思います。崩壊3rdをちゃんとプレイした人しか分からない話ですけど。

 

さて細かい話になります。

・Bメロで矢印が黄色くなるのはRubiaの歌詞に合わせた演出でしょう。

(*)Life blooms like a flower far away or by the road

Waiting for the one to find the way back home

Time flows across the world | There is always a longer way to go
'Til I reach your arms | A madder there for you

 

Up against the stream waterways will join as one

Tracing to the source | No more strayed or lost

You will see petals fly when lament becomes carol

Could you please hear my voice that hungers for a duo?

 

(*)×2

 

 見てわかる通り、全体として歌詞は「行雲流水、諸行無常」のような内容となっていますが、その中で太字で示したBメロのみが明らかに前向きな内容かつ、呼びかけ・問いかけのような内容となっています。

 特に注目すべきはlamentという単語で、これは渡世の1つ前のムービーであるLament of the Fallenから取られたものと思われます。一言で言えば別れのムービーであるLamentが、出会いの象徴であるCarol*7に変化するめでたい様を表した一文ですが、ここにLamentという単語を使えるのは実際に別れを経験したキアナ以外ありえないと言えるでしょう。なのでキアナを表す黄色が使われているというわけですね*8

 

・使命の手前で赤と青が交互になるのは青のフカが使命の赤に思いを馳せている様子と思います。

・ラストの4つ押しホールドの切れるタイミングがドラム合わせなのは本人っぽいですね。

なんか他にも書くこといっぱいあった気がするんですけどこれ書くために譜面見直してたら感情になってしまったので思い出せなくなりました。

 

◇本人コメント(というか会話)

(本人譜面について) Again, she is now a class rep. Only Kiana does the most athirsted, with calling her CLASS REP after all. if does not make a sense, start HI3rd.

(偽装譜面について) Totally awesome, it's quite satisfying! Thorough investigation into Fu Hua and Shattered Samsara, color arrangement, and their embodiments are all surprising, somewhat too much tho.

only one point, I'm against your choice of blue at the beginning. Why you covered the bg*9...

(サビの1歩目が赤な件について) just because.

(最後の1歩が赤な件について) It can be Senti, Phoenix, Captain HIMEKO, Himeko, Fenghuang down, the ornament, or even the glasses you said. Her LIFE is not so simple that can be expressed with only one thing.

*1:Spring Carnivalのときに思い知らされました

*2:覚えてる人はいないと思いますが

*3:本人側も偽装側もBPMがズレてました。とは言え、AVはよく微妙にズレたBPM返してくるので150だと思ってしまうのもしょうがない話です

*4:CATCH FIREや驚異の凡才など

*5:後に罪の天使という最高の寄生先を見つけてポジションを獲得することになります

*6:そもそも本人側は無音の部分に大量にノート置いてます

*7:フカのはじめての友だちの名前です

*8:ちなみにこの解釈は見た瞬間めちゃくちゃすんなり来ました。フカがこんなメンヘラみたいなこと言うわけ無いだろとか思ってました

*9:動画ツイートで、本来Rubia - Zhou Shenが表示されるべきタイミングで間違えて背景を真っ白にしてしまっていた