Battle on Kemomimi Loli所感①: paraph_3gou

とは打って変わってみんなで一人の偽装をする企画BoKLについて、せっかくなので1譜面ずつ感想を書けたらいいなあという思いの元筆を取ります。まずは自分の譜面についてです

 該当譜面がこちら。正解率は3/8となりました。正直割とショックでした

とりあえずはこの譜面や過去の譜面を元に、自分が譜面を置くときにどういったことを考えながら置いているかをめちゃくちゃ詳細に記していこうと思います。

具体的には以下の3つのテーマに分けて順に紹介します。

1. ソフラン&ギミック

2. 音取り (ハンクラ)

3. 配置

このうち1.に関しては以前にブログに書いたような気がしないまでもないんですが、改めて簡単にまとめ直します。

 

1. ソフラン&ギミック

入れはするがそれを目的にしない」が基本です。別の言葉で言えば「曲に合わせた自然なソフラン&ギミック」を置くようにしています。

1小節程度の短いソフランについては、基本的に低音が弱くなるタイミングで、かつそのタイミング前後セクションの譜面が全体に占める役割を明確に変更したいときに置きます。これが一番如実に表れているのが愛Deeのサビ前の低速です。

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低速よりも上側が前座で、低速を挟んで発狂地帯に誘導している例です。他にこういった使い方をしている例としてはPurple Hyacinthのサビ前、Dr. Strange獣耳ロリの獣耳ロリ地帯突入前などがあります。まあこれは基本気分です。

 

一方で2小節以上にわたる長いソフランですが、こちらは3.に書くように、katagiri曲において一つの楽節 (Aメロ、Bメロ等の分類、マッシュコアの場合は元楽曲1つ) 内で前半だけ低速、後半は等速といった使い方はほとんどしません (ただしフル尺の場合は別です) 。これは体力勝負にしたいので曲カットの際にそういった部分を切るというのが一つと、配置で差別化されやすい部分であるためです。ショート尺での例外としてUnleashed Worldがありますが、これは低速で疲れさせるのと、振り回しの尺を勘違いさせる (2サビの低速後は1サビよりも長い) のが目的のためです。

楽節丸ごと低速化させる場合の判断基準は、今回の提出譜面を見回した感じ大体把握されている感じがしました。まあDDRとかと割と近い基準です。

 

スタッターや停止、ワープ、ふわり効果などのギミックはほぼ決まっていて、

・完全に無音になる瞬間 → スタッターor停止

・パァン! → ふわり効果

・特定の譜面リスペクト → ワープ

・曲の繰り返し → ワープ + ステルス + ステルス解除

といった具合です。luaが付かない場合のワープはほとんどはやんぬリスペクトで、使用例も今回のAll is Fair in Love and 獣耳ロリのほか Lemuria (Halcyon) と Kahu (華蝶風雪)くらいしかとっさに思いつかないです。

 

これらをもとに今回のAll is Fair in Love and 獣耳ロリを見てみると、開幕の低速は別として

・50秒あたりの4小節 (kaiさん、slaimさんが低速化) は1楽節内での変化となるので不採用

・1分30秒あたりの1小節 (kaiさん以外全員が低速化) は前後で役割が変わらないので不採用

・メルトの入りは低速 (共通) 。ただ、途中で1/4→1/2になったのはややイレギュラー (Halcyonに近い)

・メルトのサビ抜けは低速 (BMTさん以外全員が低速化) 。バスドラが鳴る間は等速だが、スタッターにはならない

・最後の1拍空きはHalcyonリスペクトでのワープ

という感じになります。

昔の譜面とか見直すと例外とか割とあるかもしれませんが、多分それは若気の至りとかそういうやつです。まあ結局は気分で置くんですけど。

 

2. 音取り

2-1. 滝にする位置

基本的にはサビは全部滝、AメロおよびBメロは前半または後半4小節程度を滝にすることがほとんどです。また滝の長さが16分換算で8小節を超えないように (L4.8TSはサビしかなかったので事故りました)、特徴的な配置でもって隙間を空けて調整します。ch3rryLife Gaugeがこれらの特徴の典型例です。

また、katagiri系ではアウトロは必ず滝になります。ch3rry、青と夏、Vacation Funk、獣耳ロリ3種、すべてそうなっています。なんというか伝統です。

マッシュコア系はサビがめちゃくちゃ多いというか、サビからサビが続くことが良くありますので8小節の塊を4/4に分けて前後どちらかを滝から外したり、あるいは滝とそうでない小節を交互に置いたりするなどして、体力を異常に消費することのないように考慮しています。

今回のAll is Fair in Love and 獣耳ロリでは、

裏表ラバーズは曲的に配置を厳しくしよう→生き残ってもサビが続いててここで死にそう→滝を切るためにロングトーン合わせのhold軸

という流れで1分15秒あたりからの妙なbreakdownが生成されています。楽節後半のみを滝、というのはこの部分のほか1分30秒あたりから (メガラバ地帯) でも利用しています。

 

2-2. 滝以外の音取り

「音を拾っているふりをして実はあまり拾っていないように見えて実は拾っている」のが特徴だと思います。8分3連、7連を用いた1小節単位での繰り返しが多い気はしますが……とにかく拾う音が変わりまくる傾向にあり、そこに音を明確に無視した8分3連が混じるので真似するのはかなり難しいと思います。tenenoさんの言う「テンション合わせ」に近い部分も大いにあるかと。

基本的には旋律+3連バスを拾った混フレが多く (例: ch3rry、Life Gauge)、音が少ない部分ではバス合わせを基本に、間が開きすぎない程度に4分を足して構成しています。

いずれにしても8分音符2個以上の隙間が開かないのが特徴で、青終わりになるような旋律を拾う場合には「これはバスの分」と言い訳してもう1歩追加し赤で終わらせることがほとんどです。青終わりの配置を置く場合には、8分1個だけあけた青から始まるようにしています。これの典型例が喫茶獣耳ロリの惑星の4分30秒頃からの配置です。

青抜けの配置が多い珍しい部分で、途中1回間違えて言い訳赤追加をしていますが、その場合にはちゃんと8分1個開けるという、当時の混乱ぶり、あるいは疲れぶりがよくわかる部分です。ちなみににじいろクレヨンも動画の時点では空いてる部分が多いですが、公開版ではほとんど埋め立て工事されています。この曲は逆に言い訳青削除をして赤始動にしている部分が多いです、というかサビの5連は全部そうです。

 

このように間を空けないようにしているのは、「1個抜けなら浮いてられるが、2個抜けは浮いていられない」という持論が理由です。詳しく説明すれば、次の配置まで見越した重心移動込みのジャンプをする場合に、2個抜けの間浮いていられるだけの踏み切りをするのが難しいということです。間を開ければ開けるほど長い間浮く必要がある上にその先の配置が見えなくなってしまうので、結果として見当違いの方向に飛んでしまったり、動かなくていいのに動いてしまったりという事故が頻発してしまいます。これを2017年末のephemeraで散々に味わって以来、間2個以上開けることはほぼ無くなりました (holdを伸ばすことで、その場で止まることが分かるようにすることはあります)。

 

また4分だけで長い間続く譜面も置かないですが、これはその部分を4分滝 (そんなのある?) とみなしてしまうためです。基本的に同じ速度で続く譜面を置き続けるのは「重 心移動を楽しむため」と考えており、またその重心移動の楽しさはプレイヤースキルと重心移動速度がちょうど良いバランスであるときに最も高まると考えています。その時に、周りが8分まみれなのに1か所だけ4分しかない部分があると重心移動速度がまるで物足りなく、「どうせ一定なら8分にすればいいのに」と感じてしまいがちです。というわけで、そういった場所は思い切って歩数をめちゃくちゃ減らす (メルト開幕など) か、8分やジャンプを織り交ぜて歩数を減らしつつしっかり重心移動速度を保つことで満足度を嵩増しするようにしています。

このような4分ストリームを置いたのは過去にはハニエルのうた DM7やFinixe DM7がありますが、これらは4分ストリームでの振り回し速度がちょうど良い人が楽しめるようにしてあるだけで、何かしらの音を拾って4分を置いているわけではありません。

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左から順にFinixe DM7、DH12、DX17です。「ストリーム」という共通解釈の元で、置く速度を変えているだけというのが分かるかと思います。

 

今回のAll is Fair in Love and 獣耳ロリでは、ほとんどがボーカル合わせになっています。特徴的なのは前奏抜けの部分ですが、ここは言い訳赤追加を利用して間が空かないようにしたうえで、3連バスを拾ったりして全体の難易度を整えています。あと1か所どう考えても何も鳴ってないところに縦連が入ってますがこれは完全にテンションが上がったので勝手に置いただけです (下図参照) 。

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上: paraph_3gouでのリズム (+: ノート有、-: ノート無、*: キック合わせ、赤字は完全に音を無視した配置)

下: 実際の歌詞の配置、灰色は特に聞き取りにくい部分

 

3. 配置

身体の向きは最低でも1小節に1回変わるようにし、振り回しの時は3小節 (平常運航) か1.5小節 (発狂) を目途に1往復するくらいのを、それ以外の時は逆向きに移動することがない程度に置いています。

3-1. 身体の向き

身体の向きを変えるタイミングは中央と端の2か所があります。

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丸で囲んである部分 (右は囲めてないですが) で身体の向きがそれぞれ変わります。左が中央で変わるパターンで、右が端で変わるパターンです。kaiさんのブログで指摘されていた通り、中央よりは端で身体の向きを変えることが多いですが、どちらで向きを変えるかによってその後の展開に大きな差ができます。

 

3-1-1. 中央で身体の向きが変わる場合

渡った先ですぐに身体の向きが変わるか、あるいは直ちにそのままの向きで引き返します。夏の風物詩こと「通り魔」や愛Deeのルカがノリノリでカズダンスを降らしてくる地帯はこの典型例です。

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↑渡った先ですぐに身体の向きを変える例。昔の譜面では例外もあるが、それらは今踏むと気持ち悪い

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↑ルカがノリノリでカズダンスを降らしてくる地帯はそのままの向きで引き返す例。ハニエルの多重引き返しはマジで追いつかないので苦しい

これらはそれぞれ理由があって、

 

渡った先ですぐに身体の向きを変える場合

基本的に端でしか向きを変えていない譜面の中で突然中央でも向きを変えた場合には、そこだけ明確に向き変更の密度が高くなります。そうすると全体として身体の向きと振り回しの間で周期を取りながら置いていたのが崩れがちなので、即座に戻して元の周期に戻すのが目的です。また、実際に踏んでいる時には上半身の向きはほとんど正面になりがちですが、下半身の向きはしっかり譜面で指示された向きになります。そうするとねじりばねの原理に従って腰あたりに逆方向への力が働きますので、それを解放するためにも直ちに変えてやったほうが「気持ちいい」配置になります。

Life Gauge (2020 restep SM5 Ver.) の初期動画公開版では32秒あたりでこれに明確に反した配置がありましたが、動画で見るとやはり気持ち悪かったので後に修正を加えています。

とにかく、これは中央での向き変更を「振り回しの一部」とみなした場合の配置です。

 

そのままの向きで引き返す場合

これは中央で向きを変更した後に引き返すことで、向きを変更した部分が疑似的に「端」になることを利用しています。言葉遊びか? いやいやそんなことは無いです。例えば下の二つの配置は同じ精神性を持っています。

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右の配置はよく置くタイプの遠捻りですが、これを (BPMなどの事情で) 近くしたのがルカがノリノリでカズダンスを降らしてくる地帯というわけです。

ところで右の配置はサビ入りなどでよく使いますが、これは2P→に (遠さや難易度の) アクセントを置いた配置で、ここに明確に合わせたい音やテンションがあるときに使うものです。なので、左の配置では2P↑にアクセントがあり、例えばそれがルカの調子乗った掛け声であったり特徴的な音だったりするわけです。なので、上の「渡った先で向きをすぐに変える場合」に比べて、かなり明確な意図があって置かれる配置になります。

ちなみに、中央で引き返さずにそのままの向きで端まで行ってから引き返すパターンもあります。ちょっと長くなっただけの変種で、基本的な精神性は同じです。

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3-1-2. 端で身体の向きが変わる場合

こちらが平常進行です。この場合、発狂以外では6歩以上かけてゆっくりと向きを変えてからもう片側へと移動することがほとんどです。

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↑左は7歩単位での典型例 (最近は特に多い)、右は9歩単位での典型例 (BPM高めの曲で多い)

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↑ビジ渡りじゃない例、特に左は困った時によく出てくる形

また、この場合は片側でのアフロ配置や、近接1パネルを巻き込んだ5パネルでの配置も見られますが、そのような場合でも向きが変わったら直ちに逆サイドに移動することが多いです。

逆に言えば、片側でブンブン捻る配置の手前では中央で向きを変えていることが多いですし、中央で向きを変えなかった場合は端で向きを変えてから戻ることがほとんどです (L4.8TSの偽装譜面の2サビ発狂はここが惜しかったです) 。

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典型例がLife Gauge (2020 restep) です。譜面置いてるときはそんなこと考えてなかったんですが、完成した奴を見たらその法則がちゃんと当てはまっていたタイプです。本当ですよ、この記事のために譜面書いたんじゃないですよ。

 

3-2. 振り回し

まず何より、「振り回される価値のない振り回し」と「振り回される価値のある振り回し」振り回しを明確に分けて配置しています。具体的には、「片側4 (+1) パネルで6歩以上踏む」振り回しを後者として、そうでない配置を前者としています。

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両方とも似たような繰り返し配置ですが、左は振り回される価値がなく、右はある配置としています。自分が踏む時に、左の配置では重心を中心に残して振り子のように踏みに行くのに対して、右は重心を左右に振りながら踏むためです。右の方が遠いというのもありますが、体力消費は明らかに左<<右になりますので、基本的には右のような配置を置きます。

振り回される価値のない配置は、サビ前など積極的に盛り上げていきたいときや、逆にサビ入りなど特徴的な部分でとりあえず1周させたいときに使う程度です (今回は「だからメ~ルト」に合わせて1周させてます) 。

さてここからは振り回される価値のある配置についてです。上に書いた通り、平均して1.5小節に1往復または3小節に1往復を基本に置いています。例えば上で示した7歩単位での典型例を並べれば14歩で1往復するので約2小節で1往復になります。これを基本的な流れとして、ここに端または中央での数歩を追加してゆっくりにしたり、逆に「端での向き変更」を外向きの遠捻りで代用したりして歩数を減らすことで調整します。

 

3-2-1. 歩数を増やす場合

よく使うのはゆるく逆方向に向きを変えるか、あるいは今向いている方向をさらに強化させるような配置を間に挟むことで、片側サイドでの滞在時間を伸ばす方法です。

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↑ゆるく逆方向に向きを変えるパターン (左) と向きを強化するパターン (右)

この場合は、渡りに際しての歩数が変わらないので、重心移動の速度は変わらないという特徴があり、適度な満足感を残すことができます。また、滞在時に5パネル目を巻き込んだ配置にすることで、重心移動の加速度を小さく抑えることができます。これにより体力消費を大幅に抑える役割も期待できるので、殺しはしないけどとりあえず振り回しとけ、という際によく使われるパターンになります。

 

一方で、重心移動中に数歩足すパターンもあります。この時には、身体の向きの変更が1,2回追加されることがほとんどです。

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↑向きの変更が1回追加されるパターン (左) と2回追加されるパターン (右)

1回追加されるパターンは3-1-1の「中央で向きが変わる場合」に、2回追加されるパターンは3-1-2の「端で向きが変わる場合」にそれぞれ相当する形で譜面が続きます。この時に気を付けているのは、中央の2パネルまで移動させた後に、移動してきた側の上下を2回以上踏ませないことです。こうすると重心が完全にそちら側に寄ってしまい、重心移動が難しい譜面になります。逆に言えば上下を2回以上踏ませるのはそちらに渡ったということでもあります。こちらのパターンでは、重心移動の速度自体が落ちるので明確に難易度が下がります。あまり連続させると露骨に満足度が下がるので、帰りは速くなることが多いです。

 

3-2-2. 歩数を減らす場合

こちらも2パターンあります。分かりやすいのは遠捻りを使うパターンです。

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Vacation Funk以来頻繁に使ってましたが、めちゃくちゃ難しいということに気付いたので最近は減りました。この手法を使う場合は、遠捻りによる瞬間的な速度上昇を楽しむ配置になります (なので連続させるとゴミができるんですが……) 。振り回し中の遠捻り周りでは配置の自分の中でのタブーがあります。

 

・押し引き問わず、遠捻りの次の1歩は遠捻りで踏んだパネルよりも先にする (着物渡りは論外)

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上の6図はいずれも左足始動の3歩の後に4歩目にどこを踏ませられるかを示しています。地雷の位置はすべてタブーで、同時が置いてある2パネル以外はほぼありえないです。またこれらの配置はいずれも端まで渡り切った判定になり、身体の向きは中央で変わった判定になります。

 

・遠捻りで踏むパネルが左右端の場合、その次は手前と違うパネルにする

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いずれも右足始動で、押し捻りなら左側、引き捻りなら右側がテンプレです。このうち、上の二つの配置においては5歩目を2P側に置くことで遠い捻りで切り返させる異常に厳しい配置が簡単に作れます (Vacation Funkなど) 。この場合は、端まで渡り切った上で、身体の向きが端で変わったという判定になります。4歩目が2歩目と同じ位置にあった場合、5歩目は1歩目と同じ位置以外ほぼありえなくなり、「ただ遠いだけ」の譜面になりがちな上に配置の幅が狭まるので良くないと思っています。

 

さて歩数を減らす話に戻します。遠捻りを使わずに歩数を減らすときには端まで渡りきらせない手法を使います。最近は遠捻りの代わりにこちらをよく使っています。こちらは遠捻りとは違い、重心移動向きの急激な変化によるGを楽しむ配置になります。

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基本的には片側の端から始めて、反対側の上下どちらかまで動かしてからすぐに元の上下どちらかまで戻します。3-1-2.の「中央で向きを変えてそのままの向きで戻るパターン」もこれの一種です。ノンバーで踏むと脚がパネルの上を滑りまくるので割と危ない配置でもあります。

振り回しについては基本的に上の要素を適度に取り入れながら、左右で偏りが無いように全体を整えながら置いています。

 

3-3. 音合わせ

地味にあんまり注目されていないであろう部分です。お狐化けーしょんっ!が色々取り入れてあって分かりやすいです。

 ・4分合わせの軸+足回し

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お狐化けーしょんっ!のアウトロのほか、All is Fair in Love and 獣耳ロリの随所で使用しています。kaiさんはこの部分の再現をしてきていてこいつは凄い! ってなりました。表4分に限らず、定期的に特徴的な音が鳴るシーンでは同じ場所を踏ませることが非常に多いです。All is Fair in Love and 獣耳ロリのメガラバ地帯での軸もボーカルの裏拍取りを意識しています。

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左二つが声ネタ合わせ、一番右はボーカル合わせの同じ位置ホールド。最近は特に発狂中ではバラける傾向にありますがこういう傾向はまだ残っています。

 

・遠捻りでのアクセント合わせ

特徴的な音や、サビの始まりなどに遠捻りを合わせることが多いです。音が上がるときには押しでの↑パネルへの遠捻りが多くなりますが、それ以外は基本バラバラです。

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↑サビ入りの「化」へのアクセントに合わせた遠捻り

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↑小鼓 (和楽器的なポンッという音) に合わせた遠捻り

重要なのはあくまでアクセントに合わせているだけで歌詞には合わせていないということです。自分は「歌詞合わせ」を言い訳に、突然譜面のバランスをぶっ壊すのが大嫌いです。何のこととは言いませんけど。もし歌詞合わせで配置することがあったら、「言われてはじめて気づく」くらいには全体の流れの中で自然に置くことを目指しています。踏んでる最中に「これ歌詞合わせだな」ってわかるの、めちゃくちゃ気持ち悪いんですよね。シングルならともかくダブルは露骨に重心移動を阻害されるので……全く置かないわけではないですけど。

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↑(左) Bad Apple!!歌詞「ぐるぐるぐるぐる」に合わせた回転配置、別に回らなくてもいいが、回った場合に自然な向きで入れる譜面を続けてあります。(右上) マリオがジャンプするときの声に合わせた右足飛ばし (右下) スキル「時空振盪」再現の超密集 (文脈合わせ)

 

・3音ワンセットの繰り返し

そこまで見ない音形ですが、その分気になるので合わせて同じ配置を繰り返したくなります。

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(左上) Life Gauge (2019年版)、(左下) Life Gauge (2020年版) は両方ソファレソファレに合わせた3歩繰り返し配置。(右) 喫茶獣耳ロリの惑星ではファドシ×11に合わせた3歩階段セット11連打がめちゃくちゃ目立ってます。

 

3-4. その他意識している配置

主に振り回し以外の要素です。

・8分1個開けた後は、手前からの重心の動きの先

渡りの最中であれば渡った先ですし、サイドで静止している場合はその場でジャンプです。

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この辺りが分かりやすいです。8分1個開ける行為はプレイヤーに少し跳ねさせる行為と同じだと思っていて、ノンバーの場合空中で重心の移動先を変えられないことを考えると重心が動いた先に次の1歩を置いてやるのが一番自然な流れだと思います。

 

・同時はスライドしない

いわゆる交互同時というやつです。連続する2同時に同じパネルが含まれる場合、そのパネルは必ず同じ足が踏むようにしています (重いキックがバンバン鳴ってるときを除く) 。

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ウワなんか映ってるこんな感じです。例外はHeisei*Meme*Hunters*Diary 2019のヘイセイカタクリズム (3回目) やDr. Strange獣耳ロリのGod Knows...地帯などにあります。

 

・縦連は身体が開く向きに

開くというか、縦連を踏むタイミングで正面を向かせるような配置というか、とにかく自分の置く縦連はほとんどの場合は休憩として扱っています。縦連への入りは基本的に動きを止めないといけないので、これ以外の形で置くと特にバー無しの場合ブレーキが難しくなるためです。もちろん逆に急ブレーキになる配置も避けるように、身体の向きを変えるタイミングと合わせています。せっかくなら気持ちよく踏んでもらって、その後の展開に向けて気持ちを盛り上げてくれればなと。

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ちなみに、縦連をメインコンセプトに持つ譜面ではこれに従わない置き方を意図的にして、縦連周りの難易度と存在感を嵩増しすることがあります。と言ってもそんな譜面ほとんど作ってないですが。

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置いた本人が踏めないやつ

ちなみに譜面の最後の一歩は基本的に振り回した先になりますが、そうでなかった場合は縦連と同じ形で置かれることが多いです。

 

・ボックスと小ボックスと半回転は置かない

置きません。いやマジで。そうじゃなかったらこんなツイートしません。

 同様に、中央スラッシュでの窮屈な配置 (左足始動247や346など) も置きません。今回のBoKLは全員置いてきてたので心外でした。

 

・Xバタフライ

いわゆるVacation Funk配置です。

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一時期大量に使っていましたが、基本的には3-3.にある音合わせです。具体的には、4分間隔で特徴的な音が鳴っているときに音合わせをしたいが、3-3.にあるような軸配置+足回しでは難易度が低くなりがちで、でも今は発狂中なので難しい配置を置きたい、というときに使います。L4.8TSのアレはファンサービスです。すみませんボーカル合わせのつもりだったんですけど後で聞いたら「いーらなーいーよーー」だったので合ってなかったです。

 

・逆足折り返し階段

使用例は少ないですが強烈なインパクトを残します。別名kai殺し。「スライドするとボックスになる」とはこの配置のことです。

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↓軸(左)と↑軸(右)の基本形。体の向きが外か内かで使い分けますが基本は↓軸。最近 (というかL4.8TSとLife Gauge 2020) は上下軸両方を1往復ずつ連続させるパターンが定着しています。このままだと14歩パターンになる上に身体の向きが捻った形で固定されるので、実際にはかなり変形させながら使います。いずれにしてもコツは左右の端を逆足で踏ませながらの振り回しです。

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実はLife Gauge (2019 Ver.)とch3rryという今の譜面スタイルを確立した2譜面に使われていた比較的古い配置です。基本的にはサビが4/4または8/8で分けられるところの後半で使って前半との差異を強調する形で使いますが、特にLife Gaugeと愛Deeの2曲はこの部分で鳴るマイナーコードをかなり強く意識して置いています。マイナーコードと逆足には何の関係もないですが、雰囲気がありますので。何の?

 

総括

なんとここまでで11000文字というすさまじい記事になってしまっているんですが、とりあえずぱっと思いついた「譜面置くときに考えていること」をまとめました。実際に譜面置くときはなんとなくの難易度の濃淡と音取りだけ決めて手癖でバーっと置いています。twitterに動画上げた後に動画で譜面を見直して気持ち悪く感じる部分を随時修正する形で譜面の質を上げていますが、その時に特に意識せずともこの記事に書いたような中身が譜面に実現されていきます。

何も考えていないのにこの記事に書いてある通り以外の配置を排除しに行くというのは、ある意味においては自分の最も閉鎖的で批判的な部分であり、twitterにおいて「譜面が先鋭化している」と述べているのはこのことを指していました。

何はともあれ、今後paraph譜面の偽装をする際は、dancing_paraph_botを召喚するなり、思いつく譜面を並べるなり、入院しそうな配置を置くなりして作り切った後に、この記事を参考に身体の向きや振り回しの速度を調整していくといい感じになると思います。

 

次からは、どこかで時間を見つけてこの記事をもとにBoKL寄稿譜面 (本当にありがたかったです) のどこがparaphっぽく、どこがparaphっぽくなかったかを列挙していこうと思います。

本当はDOUBLE PRETENDERSの方の後処理もしないといけないんですが……ちょっとしんどいですね……