DOUBLE PRETENDERS 偽装見分け私感① Classical Insanity ~ 驚異の凡才

音源提出者になり切って譜面を作成し騙しあうダブル譜面作成企画 DOUBLE PRETENDERS の提出譜面について、本人or偽装、および誰が偽装しているかをどのようにして見分けるのか。譜面以外の情報を徹底的に消した甲斐もあって全体的に難易度が高く、本人譜面の的中率は平均61.75%、偽装者の的中率は平均16.16%にまで落ち込みました。

この記事ではあくまで個人的な偏見と観点から見分け方を紹介していきます。

 

 さてこのような企画においては、おおよそ以下の3通りの見分け方があります。

1. "本人"譜面の手癖配置から本人を断定する

2. 偽装譜面の「本人らしくない」配置から偽装を断定する

3. 偽装譜面の手癖配置から偽装者を断定する

このうち、1.は偽装者が手癖配置を完コピしてきた場合にミスを起こす問題があるため最終手段になりがちです(後述する通り今回は手癖配置の完コピはありませんでした)。なので2.または3.を中心に攻めます。基本的に偽装者の予想は困難なので、「答えを知っている」という前提の下でのこじつけを狙っていきます。

以下、敬称略、である調になります。

 

AKUDO: Classical Insanity (本人DH15/偽装DX16:MAFUYU)

1. 本人予想

AKUDO譜面の特徴は

・作り慣れていないがための非交互配置

・体重の軽さに物を言わせた、滝中の高速引き渡り

・謎の開脚

など。偽装DX16は開脚こそあるものの他の要素が致命的に足りておらず、「頑張って本人に寄せたけれども本人がはるかに超えるものを出してきた」という典型的なパターン。

Snow Storm -Euphoria- DX16の譜面を知っているならば、ここの配置ミスで一発。実際、本人譜面の的中率は驚異の100%。

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2. 偽装者予想

交互に踏める点で、AKUDO譜面をよく知っているteneno、paraph、kaiは除外できる。予想には普段から高難易度譜面を多く作る人が多く並んでいる印象。

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ヒントになるのはAKUDO本人が間違いなく置かない↑軸乱打。ここ以外にも滝中に軸+開脚気味の片足移動が多く、これを手癖で置きやすいMAFUYUが正解 (参考: 温泉大作戦 DX16など)。これだけで断定するのは困難だが、比較的ヒントは多かった方。

 

BMT: Electra's Song (本人DE2/DM4/DH7/偽装DE2/DM4DH6:kai)

1. 本人予想

BMT譜面の特徴は

・音に合わせない合わせ

・流れに身を任せる

・踏み方が多様になりやすい

など抽象的なものが多いが、総じて「普通の良譜面」が多い。形から即決することは難しいので慎重に比較していくのが基本。

DH6に多いスラッシュ配置はあまり「らしくない」配置。

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また、ホールド後、同時後の入り足、およびその位置について、バーを持っている方が分かりやすい配置が多いためこちらが偽装と予想できる。また難易度表記もやや低めとなっており、逆詐称気味のことが多いBMTとしては不自然。

一方でDH7にあるこの同時周りの配置が置けるのは本人・N2くらいで強力な証拠になる。形としての手癖ではなく、足の動きを含めたこだわりな上に一見汚い配置のため知らないと偽装は困難。

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手前の足を残したままの捻り同時、そして残した足を次の矢印に持っていく動きは東北鬼などに見られる本人曰く「完全交互同時」配置。一方で同時をスライドして踏んでも次の足は自然に入れるため、流れに乗らせながらもその流れを強要しない、あるいは流れが複数ある「古めかしい」配置。

2. 偽装者予想

極めて困難。低難易度を作れるイメージのある人が予想シートには並んでいたが、そもそもこの曲+BMT偽装で高難易度譜面を作る人はいないはず。

上で述べた通り、バーを持っている印象を受ける配置であることと、極めてメタ的な思考ではあるが「難易度を3つも用意するほどの強いこだわりを持って企画に参加する」人であることからkaiにこじつけられないこともない、が基本的にここの予想は無理*1。配置としてはQ、OKUNO、paraphが近く、もし"本人"がこの3人のどれかであった場合はより難易度が高かったのではないかと予想。

ちなみにkai譜面は同時周りで入り足に難があることがたまに見受けられる (参考: Apollo DX14開幕など)。

 

GOBOW: Super Fantasy 8bitmix (本人DX12/偽装DX13: BMT)

1. 本人予想

GOBOW譜面の傾向として、

・踏みゲーに収録されている曲に関係する場合、元の譜面を意識することが多い

ソフランで色が入れ替わる場合は何かしら合図がある

ことから、これらを明確に破っているDX13が偽装と判断できる (参考: Monkey Business (lapix Remix) DX11、Twist of Fate SX12)。

DX12の配置は明らかにこれまでの本人譜面の傾向から逸脱しているが、DX13にも向きの変わらない連続地団駄や、裏入りの4連地団駄セットなど明らかにストリーム慣れしていない(あるいは古い)配置が多いため配置はほとんど参考にならない。

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シングルのストリーム譜面をあれだけ作っている人がこんな配置を今更置けるだろうか?

2. 偽装者予想

何もヒントがない。おそらく予想は不可能の領域だが、GOBOW譜面を数多く見ているはずのN2は除外できる。

一応、上記の配置から、ストリーム慣れしていないであろうと絞ればBMT、KITUNE、OKUNO、slaim、tenenoあたり。この中で目立ったソフランを置きそうなのはBMT、KITUNE、teneno程度。PIUの譜面を明確に無視していることからPIU経験が薄いと判断するとKITUNEとなってしまうので詰み。

ストリームの配置が明らかに古いのでBMTと判断できなくもない。最後の停止後の2歩はともに音のリリースに合わせた配置で、作者BMTと言われればなんとなく納得は行くかもしれない。

 

HISA: Pretty G (本人DX10/偽装DH9: KITUNE)

1. 本人予想

本人が配信中で語っていた通り、HISA譜面の特徴は

・ひたすら遠い

ということ。特に、重心移動を考えていないレベルでの早い切り返し+遠配置が多い。April Fool Step DocumentaryにあったちゃおちゅーるがHISA譜面らしいと言われる所以はここにあり、明確にDX10が本人。偽装バレするのを恐れて普通の譜面を作ってきているDH9が偽装。

2. 偽装者予想

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明らかに普通の譜面を作りに来ているにもかかわらず、定期的に我慢できなくなったかのような遠配置が出てくるのが特徴。遠配置としてはN2、KITUNEあたりに見られる形で、該当のひさキャスにいなかったKITUNEが正解。中盤以降の16分はいかにもKITUNEらしい配置で、この譜面に対して9を付けるのは踏みゲー上級者の証。

なお予想に多かったOKUNOは「普通の譜面」という点で選ばれた感があるが、OKUNO譜面自体は遠配置というよりも難配置が多く、身体の向きがあまり変わらず、中央で切り返すのが特徴。

 

kai: 永劫奇譚の純潔葬花 (本人DH14/偽装DX15: OKUNO)

1. 本人予想

kai譜面の特徴は

・滝中の24分、スイッチ、片側に寄ったストリーム

・二枚抜き、縦連、ホールド

・思い切った捻り&振り回し滝

など多岐に渡り、本人を知っていればいるほどどんな譜面傾向でも本人らしく見えてしまうパラドックスが存在する (参考: 夢であるように DH14、モリオンの姫 DX15など)。

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DX15に置いてあるおしゃれなスイッチ配置は本人譜面では見られず (スイッチは滝中のみ) 偽装感が強い。一方のDH14は、サビ前に置いてある股裂き配置が譜面だけ見れば偽装感が強い。しかしちゃんと見ればMVも歌詞も引き裂かれているのを表していると考えられるのでノーカウント。

決定打になるのはDX15の最後に置いてある捻り滝で、kai譜面で捻りが置かれるのは「振り回しのGを感じるための一要素」であることを念頭に置けば配置が難しく振り回しが弱いこの形は偽装側であると判断できる。

ちなみに本人は一番端のパネルを逆足で踏ませることはまずないのでここでも容易に判断可能。

2. 偽装者予想

偽装者というよりも曲、ひいてはBMS譜面の色に塗りつぶされているので極めて困難。企画開始直後のツイートを観察していれば即決できるが……

一応、上に書いたような偽装成分を置きやすいのはparaph、slaim、MAFUYU、Q、teneno、KITUNE、OKUNOなど。kaiに近しいparaph、tenenoは除外するにしても、このメンバーの中から正解のOKUNOを引き出せるとしたら上の8分スイッチだろうか。どことなくノンバー勢っぽい配置は多い、かもしれない。わからない。個人的には、配置の要素だけを丁寧に拾っていくとparaph、Q、OKUNOが有力候補。

 

KITUNE: 驚異の凡才 (本人DX13/偽装DN13: paraph)

1. 本人予想

KITUNE譜面の特徴は

・人のことを考えていない遠配置、高速渡り

・左右均等な配置

・重心は端から端まで移動してから切り返し

・やたら多い中央交差

を中心にしているものの、突如ソフランや二枚抜きを多用したり、3曲枠のマラソンで3500歩踏ませたりすることもありかなり幅広い。基本的には音に素直なリズム取りが多く、そこにDDR的な足し方をしながら人のことを考えていない配置を置きがち。ちなみにソフランに合図はなく、色が入れ替わることもままある。さらに言えばホールドの終点にも統一性がない。

偽装者のparaphと本人のKITUNEがもともとかなり似た傾向にあるせいで適当に置いた配置が比較的似通っているなど予想外に難易度が高くなったという印象。本人予想でさえ、3.の「偽装譜面の手癖配置から偽装者を断定する」アプローチが必要。

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偽装側には上の画像に代表されるparaphの手癖配置が極めて多いのでBPM120前後のparaph譜面をよく踏む人なら判断可能 (参考: 愛Dee DX14)。また、全体的に配置が近く、左右移動が多い割には重心移動が遅いことからノンバー勢と判断しやすい。

ちなみに譜面を置くにあたって参考にしたのはLost Paradise DH12とE.G.G.M.A.N. EDP17、La Bateria DX15を中心に、タイトルは知らないがとりあえず24分が降ってくる譜面など。

2. 偽装者予想

本人予想が当たるならこれは当たるはず。

本人譜面の後半の階段配置があまりに強烈なため、そういった思い切った譜面を書くことが多い人がスプレッドシートに並んだ印象。

ちなみに本人曰く「後半の階段配置はあまり使わないが好きな形」「これ以上難しい譜面を作るつもりがない場合はDXから作る」とのことで、多くの人が判断材料にしたであろう「階段配置」「NOVICE表記」の2点は実は本人要素であった模様。

*1:某キャスを見ていた場合にはこの曲にだけ「これトシさん自選ですね」と即座にコメントしていたところから地味に判断できる