タイピングサミット - イベントルールの考え方

e-typing大会のルール説明時に「どんな頭してたら思いつくのか」みたいな声を割と聞いたので、念のためまとめておきます。

 

タイピングサミットという場が、通常のネット対戦と違うところと言えば

・表彰がある

・人がその場に集まる

・テンションが高い

と言った点に集約されます。そしてこういう場を設ける以上、通常のネット対戦で実現できるようなルールはあまり実装したくないという思いがあります。WT3word1で30先個人戦とか、ロビーでやれって感じなわけです。もちろん決勝戦とかは盛り上がりはすると思いますが、そういう役割はRTCやInterstenoに任せてしまった方がいいと思います。なぜなら盛り上がるのは「観客」であって、「参加者なのに勝てなかった」人はなんとも微妙な心境になるからです。誰でもすっぱり諦められるとは限りませんので。しかも表彰があります。WTLv2桁がうじゃうじゃいる中で1桁が勝てる可能性は限りなく低いです。その時点でモチベーションが下がります。

 

というわけで、まずは誰でも表彰されうる可能性を作り出す必要があります。その結果生まれたのが団体戦形式です。古くはTOD団体戦、最近だとWT団体戦です。対戦者のレベルを揃えてやることで誰にでも勝利への貢献を可能にしてやろうという魂胆です。しかし問題点として機械的にチームを振り分けるために結束感がありません。つまりテンションが低くなってしまいます。

そこで地域を利用して結束感を無理やり高めたのが東西戦という形式ですね。TOD団体戦は初期から既に東西戦でした。これで結束感が高まるかどうかについては異論あるかと思いますが、少なくとも以前に比べれば多少は盛り上がりが出たのではないかと思います。実際最初に開かれたWT東西戦は(主に関西チームの)盛り上がりが凄かったです。

また参加人数=チーム人数が増えてくると、自分が打たない時間が非常に長くなる問題があります。これに対処するのはなかなか難しく、現在はとりあえず1対戦を短くし、かついくつかの対戦を並行して行うことで処理しています。それでも長いので、ルール的に変更する必要はあるでしょう。ゲーム性との兼ね合いが厳しいです。

 

次に人がその場に集まるからこそできるルールを考えます。その一つの答えとして「打鍵者の交代」を前面に押し出したのがタイピングリレーです。古くはWT東西戦で5ワード取るたびに交代するというのを実現しようとして却下されたものです。こいつのいいところはオンラインじゃ間違いなくできないという点です。悪いところは実力がモロに出ます。それが競技なので別にいいんですけど。二人羽織とか糸電話みたいなのはいわゆるフレーバーです。これもその場に人がいるからこそできる芸当です。共通する特徴は、いずれも協力型チームプレイということです。オンラインでは難しいです。

そしてタイピングリレーもやはりゲームの仕様上チーム戦になります。WTよりもこっちの方が地域対抗が似合う気がするんですが、どうなんでしょうか。

ちなみにこの手の特徴を利用した大会といえば、過去にはTOL団体戦もありました。アレはルール詰めが適当でアレな結果に終わりましたが悪くないと思います。TOL団体戦もタイピングリレーも、元々は駒込サミットでテストプレイしてOKが出たものです。今思えば駒込サミットもかなりいい場でした。なんとか復活させたいです。

 

そして最後のテンションの高さを利用したルールです。簡単に言えばゲリラ持久走とかゲリラ男の娘☆打!みたいなものです。大抵の場合ひどいゲームになります。流石にこれを公式で開く気にはならないのでゲリラ任せになります。

 

さてこれらを元にe-typingでのルールを考えてみると、このゲームは驚くほどサミット向きではないことに気付いてしまいます。なにせ対戦ができません。チーム戦ができません。協力なんて以ての外です。戦う相手は自分とワード運です。

こういう時にはどうしても新しいアイデアが必要です。新しいアイデアを出す時はどうすればいいのか、それは中間管理録トネガワに載っています。すなわち

 

新しいアイデアとは?

既存のイデア

既存のイデア

融合(ジワァァァァ)

 

です。というわけで協力型チームプレイができるゲームを、e-typingの要素に取り入れようと思ったわけです。道具なしで協力型チームプレイができる遊びはそう多くありません。そして可能な限り各人の実力がモロに出てこないタイプのルールが望ましいです。なぜならe-typingは適当にやると間違いなく強い人が勝つからです。そして白羽の矢が立ったのが伝言ゲームです。このゲームはすごく良くて、正確に聞いて正確に伝える能力が必要です。そして速さは問われません。しかもチーム人数は幾つでも構いません。

問題点は普通に伝言ゲームをするだけだと糸電話タイピングのパクリになってしまうところです。そこで考えるわけです。二日目のレポで書いた通り、伝える能力は口の方が上です。ここを手に縛ってやることで一種の攻略性が生まれます。しかし文字入力では修正が効いてしまいます。従ってキーボードを隣のPCに接続してやることで一発勝負にしてやります。目新しさの確保と、波乱が巻き起こることの期待です。

そして「全員が同時にずっと打っている」状況を作り出すために長文を選択します。これが大正解でした。ぶっちゃけ腕試しだとただのクソゲーですが、長文はミスった時のリカバリーなどかなりの戦略性が出てきます。その結果が999ミスでe-typingが強制終了するという新知見だったり、スコア0という地獄だったわけです。

 

ところで、伝説の「それでそれそれでは89おいぉ、まし^お^たお@おmぎおぇり^」ですが、これは埼玉の方言で飛び出したワードです。埼玉県では日本語は話されていないようですね。