文明と交流するということ

civ5のAIは基本的に不合理で、ついでにアホで非現実的です。その極致が宣戦依頼です。どんな状況でも、相手が格下で戦争で十分勝てると判断した場合だいたい通ります。そして目の前の獲物をスルーしてはるかかなたの文明へと旅立っていきます。現実に例えるなら第二次大戦開戦前夜、ポーランドがドイツにイタリアへの戦線依頼を通して独伊戦争が始まるようなものです。その後ポーランドもイタリアに宣戦布告することで共同戦線ボーナスでドイツと友好を結ぶことができます。意味がわかりませんね。

そしてAIは大局的な判断ができません。完成しかけの宇宙船を目の前にしながら現代文明を襲いに行きます。なぜならそちらの方が戦争で勝てる可能性がはるかに高いからです。結果としてこのゲームのシングルは一度優位を築けば負けないゲームになってしまっています。

 

一方でマルチでの対戦相手は人間です。明確な悪意と敵意を持って他文明に襲いかかり、計画的な侵攻と協働によって常に一歩先んずることを考えてくるわけです。もちろん戦線依頼なんて通らないですし、目前に迫った開戦は、交渉でどうにかするか防御を固めて諦めさせるしかありません。

もちろん戦争だけがマルチではありません。常に周囲の文明と交流を行って自らの利益になるような取引を持ちかけ、あるいは特定の文明を真綿で締めるように追い込んでいくことが可能です。世界議会がなくても擬似的な通商禁止とかできちゃうわけです。もちろん世界議会も票の結託が容易です。

というわけでマルチとシングルでは、勝敗の決まり方も全然違った形になってきます。御託はこの辺にして基本的なところを抑えて行きましょう。

 

・世界の均衡を保つ

弩兵ラッシュで隣のインドを飲み込んだアッシリア相手とか、どう考えても戦争したくありません。しかし他文明の首都を手に入れてしまった文明は明確に高い国力を持っているので放っておいてもジリ貧です。なので周辺文明と結託してアッシリアに襲いかかり国力を低減させなければなりません。ターン進行が「同時」ならば、戦線の数が増えれば増えるほど操作が追いつかなくなり一方的に破壊されます。共同戦線はかなり有利です。

ですがもっといい方法があります。他文明の首都を手に入れようとしているアッシリアを、後ろから襲えばいいのです。うまく首都が落とせられれば見返りは大きいです。そうでなくても、防衛に兵を割かなければならないアッシリアの侵攻力はかなり低下するので、インドの犠牲を減らすことができます。このような介入を行うためにも、最低限の兵力は保持しておいた方が何かと役に立ちます。そして大国には大国を見張る義務があります。

一方で没落してしまいそうな文明というのは間違い無く存在します。例えばアッシリアに襲われたインドくんですね。アッシリアがインドを飲み込めば上に書いた通り国力を増大してしまいます。インドが耐えて戦争が長引けばアッシリアのリソースを無意味に浪費させることができます。そこでインドにお金を渡すわけです。防壁&戦闘象を購入したインドの防御力で戦争を長引かせてやればいいのです。

ところで、周りが中世なのに一人だけ南京の陶塔を建てた朝鮮がいた場合、近いうちにどうしようもないことになるのは目に見えています。こういう時は周りの文明で囲んで殴ってしまうのが最適解です。逆に周りがルネサンスなのに一人だけ中世のデンマークがいたら、こっそり支援してあげましょう。後にドイツが世界制覇に踏み出した時、戦力になる文明が増えるだけでもだいぶ楽になるはずです。

 

・逆の立場で考える

上のことを逆に言えば、独走しようとすれば叩かれるわけです。他人より前を走るということは他人に背中を見せているということです。なので、可能な限り横並びに見せかけた文明運営を行うことが大事です。やり方はいくらでもあります。そうやって上っ面だけの友人を騙しながらこっそり首位に立ち、「解釈を変え」て殴りかかったり、致命的なまでの差を付けてしまえば勝てます。あるいは上手く周りを言いくるめて自分の妨害ができない状態にしてやるのも手です。

さらに逆に言えば他の文明がそうやって横並びに見せかけて実はということもあり得るわけです。それを見切るにはデモグラフィックをよく観察するのがいいと思います。例えば軍事と識字率がトップの文明とか怪しいです。手が付けられなくなる前に釘を刺しておきたいところですね。

 

・積極的なプロパガンダ

このゲームのほとどは非公開領域になっていて、その文明のプレイヤー以外が知れる情報というのはかなり少ないです。なのでプロパガンダでゲームを有利に進めることも可能にです。不利アピールは基本中の基本で、他国との関係や細かい情勢など、材料にできることはいくらでもあります。しかしあまりに情報操作がひどいと信用されなくなります。ほどほどにしておきましょう。

 

・シングルではできないこと

例えば資源の無償供与の約束や絶対不可侵をプレイヤー同士で行うことができます。脅しをかけて都市を割譲させたりなんかもルール上可能です。上で挙げたような擬似的な通商禁止もそうですし、友好国同士でスパイを送りあって技術窃盗により科学を促進することもできます。戦争の賠償金の代わりに「都市建設禁止」とかの条件を課すこともできます。最強の懲罰は新大陸送りかもしれませんね。とにかく自分が有利になれそうな行動は積極的にやっていきましょう。その結果信用を失っても知りませんが。

 

 

えてして外交が上手い方がこのゲームのマルチは有利になります。舌は多い方が便利ですし信頼は稼げた方が良いです。現在のマルチはどちらかと言えば同じ場で別々にシングルをやってる感じに近いです。ゲーム内チャットとか個別チャットとかを上手く活用していきましょう。