コストと犠牲と見返りを考える

Discordで言った通り、スタートがほとんど対等である以上最初から科学もゴールドも軍事も全部一位っていうのはまず無理です。なので少しでも勝利に近づくためには他を犠牲にして一分野を重点的に伸ばし、その分のリードで国力を増強して他の犠牲を補填する形になります。一言で言えばトレードオフです。イメージとしては先に狭くて深い穴を掘って、それから穴を広くしていく感じです。

 

ところでゲームでは何をするにもコストがかかります。都市で生産するには生産力というコストを支払い、購入にはゴールドというコストを支払います。科学の進展には科学力コストを支払っているわけです。そしてこれらコストは国力という曖昧なリソースから捻出されるものです。ここでいうコストと、前述した「犠牲」は別物として扱ってください。なぜなら国力=リソースが横並びの状態では、どんな行動をしても同じコストを必ず支払っているからです。

 

例えば名誉取って筆記即機械での最速弩兵ラッシュは、軍事面をかなり伸ばすことができる一方で科学を大幅に犠牲にしています。UG費用に加えて軍隊の維持費がかさむのでゴールドも相当苦しい状況になります。穀物庫や工房に費やす生産力を全部軍事ユニットに向けるので食料や生産力、文化なども費やすわけです。そして直接的な見返りは戦争による都市と遺産獲得です。他には軍事増強による被宣戦リスク軽減と他プレイヤーに対する脅迫があります。

都市を獲得できたので、しっかり内政をして立て直せれば国力増強につながります。他文明の足を引っ張っても相対的に国力は増強されます。それで犠牲にした科学とゴールドと他のリソースを補填できれば、頭一つ抜けた軍事力と他文明と同等の内政力を持つことになって一躍トップ文明になれるわけです。もちろん現実はそう甘くありませんが。

ここまでの行動で、軍事文明は軍事ユニットに重点的にコストを支払い、敗北した文明は科学や遺産にコストを支払ったわけです。敗北文明は結果的に都市が取られてしまったので、都市や建物、遺産に支払ったコスト分の損をしてしまいます。一方で勝利文明はそれだけのコストを得しています。この得したコストと、今までの軍事傾倒で支払った犠牲を天秤にかけることで他文明との国力差を見積もることができます。ここで重要なのはどれだけの犠牲を出してどれだけの見返りを得られたかということです。長くなるので段落を分けます。

 

隣文明の首都を落とすことを目的として、戦争志向で文明運営を行うことを考えます。

極端な例として、弩兵1体+騎兵1体で首都を落とし、世界遺産を5個入手したとします。とんでもなくお得です。弩兵1体と騎兵1体に支払うコストは、世界遺産5個+開拓者1体に支払うコストの1〜2割程度だからです。

逆に極端な例として弩兵20体+長槍兵10体で首都を落とし、世界遺産を5個入手してもこれはどう考えても損です。その軍事ユニットに払ったコストは一体世界遺産何個分なんでしょうかね。他の都市も落とさないと釣り合いが取れないのは誰の目にも明らかですね。でも他の都市がなかったら終わりです。

つまりこの場合、軍事ユニットに支払うコストは「首都獲得」という目的が達成できる最低の値が最も効率がいいわけです。もちろんこのラインを厳密に見極めるのは不可能なので実際には多少余裕を持たせてコストを支払いますが、オーバーキルは明確に無意味です。コストが最低で抑えられるなら、その分を他に回すことで軍事傾倒による内政の犠牲を減らすことができます。

逆に被宣戦リスクを考えると内政特化でも軍備は整えざるを得ません。しかし防衛に弩兵12体は馬鹿らしいです。都市立地などを駆使して最低限の軍事ユニットだけできちんと相手を返り討ちにできれば、相手が軍事に支払ったコストをそのまま損させることできます。こちらが軍事に支払ったコストの方が小さければ相対的に有利になれるわけです。

 

とは言え何を重点的に伸ばし何を犠牲にするかを判断しろというのはなかなか酷な話です。なぜならこのゲームは他プレイヤーの状況を把握する手段が少ないからです。

そこで役に立つのが文明特性です。UU、UBも当然ここに含まれます。文明特性の活かし方は、特化型補填型の二種類があると考えています。

特化型で一番わかりやすい例は戦争型ズールーです。UA、UU、UBの組み合わせでアホみたいに戦争に強いです。つまり他文明よりも少ない軍事コストで同等の見返りが得られ、科学などの犠牲を小さくすることができます。あるいは他文明と同じ軍事コストで、より大きな見返りが得られ犠牲の補填が楽になります。

補填型でわかりやすいのは戦争型バビロニアです。バビロニアは筆記を取ると大科学者がもらえて、これをアカデミーにすれば科学力が倍増します。なので国立大学を建てずに機械に直行しても、国立大学を優先する他文明に比べて科学で遅れにくいです。つまり相対的に科学の犠牲を小さくできるわけです。ちなみにこの型のいいところは技術で先行しない点です。内政型バビロニアで他文明が中世なのに一人だけ科学理論から産業入りとかしたら、世界中から弩兵が飛んできて滅びます。

 

とにかく、このゲームは犠牲を小さくするか見返りを大きくすることができれば勝てます。文明特性はその助けになります。それだけです。むやみに犠牲を支払ったり、相手の見返りを大きくしないように気をつけましょう。