高難易度と正々堂々殴り合う上で

civ5の高難易度AIには、意味不明なまでの補正が付けられます。

 

創造主にもなればスタート時に開拓者+1、労働者+2に加え、陶器、畜産、弓術、採鉱、車輪の5つのテクノロジーが与えられます。最初から数学が研究できるので、やろうと思えば10ターンくらいで古典入りして30ターンちょっとで空中庭園が建てられますね。建設勝負を挑む気にもなりません(実際はAIの優先度が低いのかたまに建ちます)。

しかしこれは氷山の一角でしかなく、むしろ重要なのは不満度-35%人口増加速度1.8倍です。これがどれくらいかと言えば、創造主AIは最初から紫禁城4個とアルテミス8個が建っている状態でスタートするようなものです。意味が分かりませんね。

なので創造主AIは溢れ出る幸福度から紙屑のように都市を乱立させ、そのどれもが皇帝プレイヤーの中核都市くらいにまで成長してしまうわけです。今まで見た中だと、産業時代くらいで大陸統一を果たしたローマが20都市くらい所有してて研究力3000とかになってました。都市数による研究コスト増加+5%×20を加味しても4都市での研究力1800くらいに相当します。どう考えても勝てません。

ちなみに建物やユニットの生産コストも半分になってますが、研究が追い付かないのでこれはそこまで脅威ではないです。AIの優先順位は遺産>建物>ユニットみたいなので、現段階で建てられる建物を全部建て終えたら余った時間でユニットを生産するようです。なので高難易度ほど各時代でユニットを生産し、余ったユニットを戦争の際にまとめてぶつけてくることになります。逆に言えば都市立地で敵ユニットの数さえ何とかしてしまえば何も怖くありません。詳しくは前回の反省会を読んでください。

 

さてGaKからBNWに移った際に、都市数による研究コストや戦争狂ヘイトの溜まり方のみならず、内政力に依存しない金銭獲得法である交易路、河川タイルからのゴールド算出削除など、拡張路線への風当たりの強さはゲームバランス崩壊寸前レベルです。ていうか一般論的には完全に崩壊してますが、僕自身が解放好きなので崩壊してないと信じたいだけです。

これがうれしいかどうかは別として、この仕様変更によってAIの内政力は大幅に落ちています。GaK時代には安定してどうしようもない強さを誇ったナポレオンとかアウグストゥスとかは大幅に弱体化してます。一度軌道に乗ると上で書いた通り強くなりますが、逆に言えば軌道に乗らなければ自ら拡張政策への足枷にハマっていき没落します。

 

それでもやはり戦い方を知らないとどうしようもないのが創造主です。勝てれば上級者を名乗って全く問題ないと思います。テンプレ攻略法とかを調べない限り、不死者でも勝つのにはかなり苦労するでしょう。どっかには不死者までは初心者レベルとか書いてありましたが人を馬鹿にするにもほどがありますね。

世間一般では非戦伝統で戦争は宣戦依頼で回避するみたいなことが書かれてますが、誇り高き癖これ住民はそんなプレイヤーチートじみたことは避けると思います。そもそもそれでは創造主プレイヤーと対峙した際にボコられます。穴クエしかプレイしてないせいで癖譜面に対応できない本家九段みたいなものです。

いずれにしてもAIの強さは異常な都市数と人口数によるものなのは間違いありませんので、それを戦略的に削ぐことができれば小手先の技に頼らずとも戦えるわけです。なので、前回の反省会で示したような都市出しを用いた抑え込みによってAIの内政力を大幅に削いでやろうというのが今回の趣旨になります。AIヴェネツィアは弱いとよく言われますが、他文明を積極的にヴェネツィア状態にしてやろうというわけです。

隣のAIが弱ければ戦争への準備も最低限で済みますし、いざ戦争になっても容易に飲み込めるので自文明を積極的に大国化させることができます。都市出しというのはプレイヤーにもAIにも平等に与えられた権利であり、宣戦のリスクもきちんと負ってますので決してプレイヤーチートに当たらないはずです。

 

長くなってしまったので、早速実践してみましょう。設定はパンゲア6文明創造主、文明はランダムで弱文明三銃士と名高いイロコイを引きました。AIだと異常に強いですがね。文明特性よりも創造主ボーナスのほうが大きい何よりの証左でしょう。文明特性はせいぜい社会制度2個分くらいですが、創造主ボーナスは社会制度20個分くらいのボーナスがあります。

f:id:paraphrohn:20180905002612j:plain

すでに第2都市を出していますが31ターン開始時の様子です。左下に砂漠を挟んで拡張の早いドイツがいます。その先は山岳地帯になっているので、拡張方向は間違いなくこちら側になるでしょう。

f:id:paraphrohn:20180905002910j:plain

AIの傾向的には、丸で囲んだあたりの立地を狙ってくると思います。ドイツの西側にはデンマークがいますが、山岳まみれでアクセスできないのでドイツには干渉できません。またオノンダガ北方にはこれまた拡張速度が速く、かつ頻繁に戦争を吹っかけてくるアッシリアがいるので、北側の領土はアッシリアにも狙われています。

f:id:paraphrohn:20180905002953j:plain

というわけで、急いで開拓者を生産してドイツの第三都市候補地を奪います。この都市は非常に硬いですね。山岳・丘陵まみれで川もあるので、大砲の時代までは大丈夫でしょう。大砲の時代でも、都市隣接タイルにツクネを置いて北から大砲で撃ち続ければ耐えられると思います。続いてこの西側に第四都市を建てようとしたのですが、やはりというべきかアッシリアの南下が確認されたので仕方なく北側に建てています。いくら隣国が弱くても、その前に自国が滅んでしまっては意味がありません。それにドイツの開拓者は方向転換してる間に蛮族に襲われてましたので、しばらく拡張はしてこないでしょう。

f:id:paraphrohn:20180905003028j:plain

一応どの都市でも個別に高級資源は確保しているのですが、無理な都市建設が祟って早速不幸に転じています。この都市、北側が草原なので遠隔射撃はバンバン通ってしまいますが、湿原を干拓して白兵ユニットを防御させておけば川のおかげで防御力は担保されます。アッシリアの南下が予想より早かったせいでドイツを封じ込められなかった訳ですが、右下のミニマップの通り、日本がアッシリア西側を蓋してしまったのが原因のようです。

f:id:paraphrohn:20180905003127j:plain

ドイツを完全に封じてしまいたかったのですが、国立大学前に5都市を出すのはさすがに幸福的にも科学的にも厳しいです。アクウェサスネ建設後露骨にアッシリア兵がウロウロするようになったので戦闘弓を増産してましたが、案の定宣戦布告されてしまいます。とはいえ防御力には優れるアクウェサスネ、突撃してくる敵兵を戦闘弓→弩兵で叩きのめし、増援が来なくなってから進軍して114ターンにニムルドを占領して和平します。それにしてもドイツは未だに第三都市を出してませんね。直接市民権からの開拓者を失い拡張に失敗したので名誉を取り始めたようですが戦争相手がおらず困窮中です。イロコイとは友好を結んでいますからね。

f:id:paraphrohn:20180905003220j:plain

アッシリア対策でてんやわんやしてる間にドイツが第三都市を建ててしまいました。しかし時すでに遅く日本が北側を埋め始めているので大きなヘイトを得てしまったようです。この後、万里日本と山岳ドイツは延々と泥沼の戦争を続けることになります。せっかく出したミュンヘンも食料に乏しくAI補正があっても人口は伸びにくそうです。

f:id:paraphrohn:20180905003315j:plain

飛んで250ターン、アッシリア攻略部隊に加えて自由思想の外国人部隊が仲間入りし、盤石の守りとなったイロコイです。ミュンヘンは日本に落とされました。日本の増援は平地で送りやすいのに対して、ドイツからの増援は1マス通路で詰まってしまうので当然の結果ですね。

この間、産業入り前後に日本を1回撃退していますが、流石にこの時期に戦争で都市を増やしてもしょうがないのでそのまま和平しています。遠くに朝鮮がいたのが気がかりだったのですが、信長ハーラルの戦争狂二人に囲まれながらノーガードだったらしく虫の息です。プトレマイオスによればテクノロジー数はイロコイ>ドイツ>日本=朝鮮>デンマークになっています。2都市しかなくてもここまでの科学力が出せるあたりはさすが合理埋めAIですね。やはり出鼻をくじいておいてよかったです。

f:id:paraphrohn:20180905003432j:plain

ドイツと日本の戦争が終わってしまったため、勝利目前でこんなことになってしまいます。とはいえ、物量で押すAIが2都市しか持ってないので戦争には弱いです。歩兵部隊は報復にハンブルク占領に向かっているのですが、ベルリン組がこっちに来てしまい防衛の弩兵が轢き殺されます。こんなことならちゃんとUGしておくべきでした。しかし物量はないので、絨毯爆撃からのパンツァー凸にさえ気を付ければ都市を落とされることはありません。ビスマルクはやる気満々で、ゲーム終了までこの戦争は続くことになります。

f:id:paraphrohn:20180905003526j:plain

戦争による内政の遅れと、食料少な目立地の5都市進行のため目安の300ターンは切れませんでしたが、312ターン無事科学勝利。他に情報入り文明はいませんでした。この遅さはよっぽどですね。

戦略の本来の目的である「抑え込みによる隣国の弱体化もしくは併合」を考えてみれば、結局最終的なライバルは抑え込んだはずのドイツになってしまったので微妙なラインではありますが、解放合理ドイツがのびのび拡張してきた場合より苦しい展開になった可能性はあるので、及第点としておきましょう。最終的に伸びてきたドイツですが、産業あたりまでは軍事的に雑魚だったのでアッシリア戦以降はほとんど軍拡の必要もありませんでした。

 

実は、隣の中国を完全に抑え込んだうえで宣戦布告させて逆侵攻→滅亡、いくつかの世界遺産を得て6都市進行でつつがなく科学勝利という理想的なプレイがあったんですが、データを残していなかったために紹介することができませんでした。もう少しいい感じのプレイができたらまた紹介しようと思います。